芳賀高名

芳賀 高名（はが たかな）について

芳賀高名は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活躍した武将であり、宇都宮氏の家臣として知られています。彼は、父・芳賀高久の次男として生まれ、後に芳賀氏を継ぎました。芳賀高名には高貞や高家といった子供がおり、特に高貞に関しては実子説や養子説が存在することも特徴です。また、彼は出家後、直山禅可という法名を名乗ったため、芳賀禅可としても知られています。

生涯の概要

芳賀高名は、初め宇都宮公綱に仕官し、鎌倉幕府の楠木正成追討にも参加しました。天王寺の戦いや千早城の戦において幕府軍の苦戦が続く中でも、彼は果敢に戦い、その武名は広まりました。この時、公綱は鎌倉幕府が滅亡した後、建武政権に従う道を選びましたが、禅可は公綱への反発から彼を排除し、嫡子の氏綱を擁立しました。これにより宇都宮氏は北朝側に転向し、南朝側から反感を買い、1341年には居城の飛山城を攻撃されて落城します。

しかし、1351年における薩埵峠の戦いでは、足利尊氏に味方し、戦いは勝利を収めました。この戦いの後、宇都宮氏の主君氏綱は、戦功によって上野・越後両国の守護に任命され、禅可はその功労者として事実上の守護代に位置づけられました。出家していた禅可ですが、実際には彼の子供たちがその職を引き受け、父は幕後で実務を執っていたと言われています。

両国の復権を狙う上杉氏や新田氏の脅威に直面した禅可は、宇都宮軍を率いてこれらの勢力を鎮圧に努めました。特に、関東執事に任命された畠山国清も鎌倉府の支援体制を構築し、宇都宮氏の動きに協力しました。

宇都宮氏の転機

しかし、鎌倉公方足利基氏は、父・尊氏の死後、上杉憲顕の復権を図り、1362年に氏綱は越後守護職を解任され晴れて憲顕にその地位が戻ります。これに対する禅可の一家の反発は強く、彼は上杉氏の軍に抵抗を試みました。翌年、憲顕が越後に入る際には、禅可は彼を討とうとしたものの失敗し、その後の戦闘で敗北を喫します。この出来事は、宇都宮氏による鎌倉府への反抗とみなされ、状況はさらに厳しくなりました。

氏綱は上野守護も解任され、最終的には降伏します。『太平記』の記録によると、氏綱は「禅可の行動には全く同意していない」と言及したとされています。これにより、禅可は宇都宮氏のため責任を担う形で退くこととなりました。

晩年と死

応安5年、すなわち1372年に82歳で彼は亡くなったとされ、その肖像画は現在、栃木県真岡市の海潮寺に保存されています。芳賀高名の生涯は、戦国時代における武士の生き様や、政治的な変遷を反映しており、彼の功績は歴史に名を刻むものとなりました。彼の物語は、当時の武士の忠義や葛藤を知る上で貴重な資料となっています。

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