芸術に恋して!

『芸術に恋して!』は、2001年10月19日から2003年3月28日まで、テレビ東京系列で放送された教養番組です。みずほフィナンシャルグループの単独提供による番組で、毎週金曜日の22時～22時54分というゴールデンタイムの枠を贅沢に使って放送されました。

番組の魅力は、何と言ってもヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが軽妙な語り口で進行を務めていた点にあります。高嶋さんの洗練された雰囲気と、芸術への深い造詣は、番組全体を上品で知的なものとしていました。単なる芸術解説番組ではなく、高嶋さん自身の芸術への情熱が画面を通して視聴者にダイレクトに伝わってきたことが、この番組を長く愛された理由の一つと言えるでしょう。

番組のもう一つの特徴は、毎回多彩なゲストを招いていた点です。著名な画家や彫刻家、音楽家だけでなく、時には俳優や作家など、様々な分野の第一人者が登場しました。ゲストの専門分野は多岐に渡りましたが、共通項は「芸術に情熱を捧げる者」という点でした。高嶋さんとゲストとの軽妙なトークは、芸術の世界をより身近で分かりやすく感じさせてくれました。視聴者にとって、芸術への理解を深めるだけでなく、それぞれのゲストの人となりを知ることで、新たな発見や感動を得られる時間となっていたのです。

番組にほぼ毎回出演していたのが、版画家の西岡文彦氏です。（当時多摩美術大学講師）。番組公式サイトではゲスト扱いでしたが、実際には高嶋さんと共に番組を支える重要な役割を果たしていました。西岡氏の専門的な知識とユーモラスな語り口は、高嶋さんとの絶妙なコンビネーションを生み出し、番組に独特の雰囲気を与えていました。

『芸術に恋して!』は単なる芸術紹介番組にとどまらず、高嶋ちさ子さん、西岡文彦氏をはじめとした出演者たちの個性と熱意が凝縮された、記憶に残る教養番組でした。洗練された映像と、芸術への深い洞察、そして出演者たちの魅力的なパーソナリティが三位一体となって、視聴者に芸術の世界への深い理解と感動を与え続けた番組として、高く評価されるべきでしょう。番組は終了して久しいですが、その影響は、現在も多くの視聴者の心に生き続けていると言えます。インターネットアーカイブには、番組の貴重な記録が残されているとのことです。興味のある方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。

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