芸術写真研究

芸術写真研究について

「芸術写真研究」とは、1922年から1970年までの間に発行されていた日本の写真関連の雑誌です。この雑誌は、特に第二次世界大戦以前に数多くの写真家を紹介し、また写真に対する新しい視点を提供しました。特に、戦前の日本における写真芸術の中心的な役割を果たしました。

沿革

創刊と発展

1922年5月に、アルスから創刊されたこの雑誌は、初めは南実を中心に運営されましたが、1923年には中島謙吉が主導権を握ります。中島はその後、同年10月に発行されていた「カメラ」に合併されたため、一時的に休刊となりますが、1924年に独立して再び刊行を開始しました。この間、雑誌名も幾度か変更を重ね、様々な試みがなされました。

1926年に、再度「カメラ」に合併された後、中島は独自の出版社・光大社を創設し、1929年から独立した刊行を続けることになります。このように、雑誌は頻繁に休刊しながらも、次第に「ベス単派」と呼ばれる多くの写真家たちにとっての拠点となりました。

戦後の復刊と廃刊

戦時中の統廃合を経て、1941年からは『アサヒカメラ』に合併されることになりますが、戦後の1951年には復刊され、1970年まで続けられました。この期間中も、著名な写真家たちが参与し、多様な視点で作品を発表しました。最終号は1970年11月に発行され、その後は廃刊となります。その後1972年には、旧「芸術写真研究」の中心人物の一人であった渡辺淳を中心に、その精神を受け継いだ『光大』が刊行されました。

戦前の巻号

「芸術写真研究」は、複数回の休刊と合併を経ており、その結果として巻号と刊行年月が一致しないことが見られます。戦前に関して整理すると、1922年から1940年までに147号が発行され、特に1932年から1940年までは巻号と年代の関係が非常に複雑です。例えば、創刊号は1922年5月に発行され、その後も年ごとに様々な号が存在しましたが、一時的な休刊や合併によって混乱が生じていました。

このように、「芸術写真研究」は日本の写真史において重要な位置を占め、多くの影響を与えた雑誌であったことが理解できます。そして、その後に続く写真文化の発展にも多大な寄与をしたといえるでしょう。

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