若宮稲荷神社 (長崎市)

若宮稲荷神社

若宮稲荷神社（わかみやいなりじんじゃ）は、長崎県長崎市伊良林に位置する神社で、稲荷信仰の場として親しまれています。この神社は近くにある亀山社中記念館からも近く、坂本龍馬をはじめとする幕末の志士たちが参拝したとされています。

社史

若宮稲荷神社の創建は延宝元年（1673年）に遡ります。町役人の若杉喜三太が自宅に祀っていた楠木正成の守護神である稲荷大神を、現在の社地に移したことが始まりです。その後元文元年（1736年）には、長崎奉行・細井因幡守安明が新たに参道を整備し、社殿を改築しました。以降、代々の奉行からの厚い崇拝を受け、「若宮様」として地域の人々からも愛されています。特に幕末には、坂本龍馬や志士たちがこの神社を訪れ、日本の未来を願ったとされています。このため、神社は「勤皇稲荷」とも呼ばれています。

祭神

• - 稲荷大神

境内

若宮稲荷神社の境内は豊かな歴史と風情に満ちています。参道には約70の鳥居が立ち並び、訪れる人々を迎え入れます。

特に有名なのは文政5年（1822年）に奉納された方形鳥居で、これは長崎奉行所内の稲荷神社から移設されたものです。また、参道には手水舎や授与所、神橋と呼ばれる橋があり、坂本龍馬や志士たちが通ったことから「龍馬橋」とも名付けられています。

神社の横には坂本龍馬の像があり、これは亀山社中のさらなる発展を願って寄贈されたものです。2009年に現在の場所に移設され、訪れる人々に親しまれています。また、展望所からは長崎市内の美しい景色を楽しむことができ、正面には諏訪神社が見えるロケーションにあります。

境内社

• - 坂本龍馬神社（2022年に高知県の龍馬神社から分霊）
• - 荒熊神社
• - 岩戸神社

竹ン芸

若宮稲荷神社では、毎年10月14日と15日に行われる例大祭で伝統芸能の竹ン芸が奉納されています。この芸能は国の選択無形民俗文化財に認定され、長崎市の無形民俗文化財にも指定されています。

竹ン芸は、約10メートルの竹竿が立てられ、白装束を身にまとった狐に扮した二人が空中芸を披露します。その起源は中国から伝わった羅漢踊にあると言われ、長崎市の「長崎くんち」の奉納踊として登場したのが始まりです。

年間祭事

1月には歳旦祭が、2月には節分祭や初牛祭が行われます。そして、10月には例大祭が催され、多くの参拝者で賑わいます。

アクセス

若宮稲荷神社は長崎電気軌道「長崎駅前」から「蛍茶屋」行きに乗車し、「新大工町」で下車し徒歩約10分の距離にあります。JR九州・長崎駅からもバスで「新大工町」まで行き、徒歩約14分で到着します。

近隣施設

• - 風頭公園（坂本龍馬像がある）
• - 亀山社中資料展示場（神社から徒歩1分圏内）
• - 亀山社中記念館（亀山社中跡に所在）
• - 龍馬のぶーつ像（亀山社中記念館へ向かう途中にある）

若宮稲荷神社はその境内の美しさと歴史から、長崎を訪れる多くの人々にとって重要な観光スポットとなっています。

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