若尾祐司

若尾 祐司 (わかお ゆうじ)

若尾祐司氏は1945年11月22日に岐阜県に生まれた、日本の西洋史学者であり名古屋大学の名誉教授です。彼の専門は主に近代ヨーロッパ史、特にドイツの社会史に焦点を当てています。若尾氏は、歴史学の分野で優れた業績を残し、数多くの著作や共編著を通じて学問界に貢献してきました。

経歴

若尾氏は岐阜県立岐阜高等学校を経て、1968年に京都大学文学部史学科を卒業しました。その後、名古屋大学大学院法学研究科の博士課程に進みましたが、1972年に中退。琉球大学法文学部の講師としてキャリアをスタートさせました。1986年には、名古屋大学に提出した論文「ドイツ奉公人の社会史 近代家族の成立」で法学博士号を取得しています。

1976年からは琉球大学法文学部で助教授として活躍し、1987年には教授に昇進しました。1988年から1989年には同大学法学研究科長も務め、その後1989年に名古屋大学文学部の助教授に転任。1992年には同学部教授に昇格し、1999年から2001年までは名古屋大学文学部長および文学研究科長を歴任しました。2004年には名古屋大学の理事・副総長を務め、2009年には定年退任し名誉教授の称号を得ました。その後は2010年から放送大学愛知学習センター所長としても活動しています。

家族・親族

彼の妻である若尾典子氏は、県立広島大学の教授として活躍しており、学問の道を共に歩む夫婦です。

著作と研究

若尾氏の著作は、近代ドイツの家族や社会に関する深い洞察を提供しています。代表的な著書には、1986年に発表された『ドイツ奉公人の社会史 近代家族の成立』、1996年の『近代ドイツの結婚と家族』などがあります。また、2024年には『世界記者ユンクの20世紀 前編 ナチ時代』も出版予定です。

さらに、以下のような共編著も多く手がけています。

• - 『家族（近代ヨーロッパの探究）』（1998年）
• - 『シリーズ比較家族 父親と家族 父性を問う』（1998年）
• - 『革命と性文化』（2005年）
• - 『近代ドイツの歴史 18世紀から現代まで』（2005年）

彼の研究は、単に学問的な意義を超え、社会文化のダイナミクスを理解する上でも重要です。

翻訳

若尾氏はこれまで多くの著作を翻訳しており、特にドイツ社会の女性や家族に関する文献を取り扱ってきました。代表作には、ウーテ・フレーフェルトの『ドイツ女性の社会史 200年の歩み』や、M.ミッテラウアー・R.ジーダーの『ヨーロッパ家族社会史』などがあります。これらの翻訳は、国内外の研究者にとって重要な資料となっています。

まとめ

若尾祐司氏は、近代西洋史、特にドイツの歴史における家族や社会構造を深く掘り下げた研究者であり、彼の業績は今後の学問においても重要な位置を占め続けるでしょう。彼の多彩な著作と教育活動は、次世代の研究者に大きな影響をもたらしています。

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