若尾謹之助

若尾 謹之助の生涯と業績

若尾謹之助（わかおきんのすけ）は、1882年10月24日に山梨県で生まれました。彼は明治末から昭和初期にかけて日本の実業界と政治において非常に重要な役割を果たしました。若尾家の三男として生まれ、父親の若尾民造の死去により、家督を相続しました。彼の兄たちが早逝したため、若尾は家族を支える立場に立たざるをえず、実業界に強い影響を及ぼすこととなりました。

若尾は、1911年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業してから、実業の世界に飛び込み、若尾銀行の頭取としてそのキャリアをスタートさせました。その後、若尾保全の社長、常盤生命の代表取締役、若尾貯蓄銀行の代表取締役など、数多くの企業で重要な役職を歴任しました。また、日本電化、日本電気炉工業、日本電球、東京電燈、東京瓦斯など、さまざまな企業の取締役としても活躍しました。

1925年には貴族院の多額納税者議員に就任し、政治活動を開始しました。彼は研究会に所属し、1929年にはその職を辞しました。若尾の政治活動がどのような影響を与えたのかは限られた情報しか残っていませんが、当時の経済人としての立場を十分に活かしたことが推察されます。

また、若尾は1915年に山梨県志編纂会を設立し、『山梨県志』の刊行を企画しましたが、その実現には至りませんでした。これにより、彼の文化的な志向も伺えます。

若尾の私生活では、妻に若尾ハルを持つことが知られています。彼女は西寛二郎陸軍大将の三女であり、彼の社会的な地位をさらに高める要因となったのかもしれません。

若尾謹之助は、彼の多才な方業と政治的なキャリアを通じて、昭和初期の日本社会における重要な存在となりました。1933年1月25日に肝臓癌により亡くなるまで、彼は日本の経済と政治の発展に寄与しました。若尾の存在は、多くの人にとって名だたる実業家としての記憶として残っています。

著作

若尾は1915年に『おもちゃ籠』を著していますが、彼の業績は政治やビジネスにとどまらず、文化にも影響を与えたことが確認されています。

参考文献

若尾の生涯に関する詳細な情報は、いくつかの資料で見ることができます。人事興信所が編纂した『人事興信録 第9版』や、実業之世界社による『財界物故傑物傳 下巻』、さらには『山梨百科事典』や議会制度百年史に名が見えます。また、斎藤芳弘の著書『甲州財閥物語 新編』も若尾の業績の全貌を知る手助けとなるでしょう。

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