若杉隆平

若杉 隆平の経歴と業績

若杉 隆平（わかすぎ りゅうへい）は1947年に石川県小松市で生まれた日本の経済学者です。彼は新潟県立大学の学長や理事長を務め、また京都大学および横浜国立大学の名誉教授としても知られています。経済学博士の学位を東京大学から取得し、主に国際経済学、産業経済学、イノベーションの経済分析、さらに法と経済学についての研究に従事しています。

教育と職歴

若杉は石川県立小松高等学校を卒業後、1971年に東京大学経済学部を卒業し、通商産業省に入省しました。1979年にはイェール大学で経済学修士号を取得し、1988年に東京大学から経済学博士号を授与されました。職歴としては、1986年に信州大学経済学部の助教授に着任し、1989年には教授に昇進、その後、1992年から横浜国立大学に移り、経済学部・大学院国際社会科学研究科の教授を務めました。さらに、2004年に慶應義塾大学経済学部教授、2007年には京都大学経済研究所教授に就任、その後2012年に定年退官し、京都大学名誉教授となる一方、2006年には横浜国立大学名誉教授の称号も受けました。2013年からは学習院大学経済学部の特別客員教授を務め、2017年に新潟県立大学の学長・理事長に就任しました。

研究活動

若杉は国際貿易や直接投資に関して、モデルを用いた理論的かつ実証的な分析を行ってきました。彼の研究テーマには、生産の国際分業、企業の立地選択、多国籍企業による知的財産権の保護に加え、国家間の技術移転が貿易に与える影響などが含まれます。これらの検証には実際のミクロデータを用いており、学術界におけるその影響は大きいと評価されています。また、教育にも力を注いでおり、ゼミでは文献の徹底的な講読を通じて深い理解を促す姿勢が見受けられます。彼の門下生には、青山学院大学の伊藤萬里や田中鮎夢といった優秀な学生がいます。

所属学会と役職

若杉は日本経済学会、日本国際経済学会、法と経済学会、アメリカ経済学会など多くの学会に所属しており、これらの学会で数々の役職を歴任しました。具体的には、日本経済学会の理事（1999-2004）、日本国際経済学会の理事（1998-2004）、常任理事（2006-2012）、日本経済学会連合の理事（2008-2011）、法と経済学会の理事（2004-）といった役職に就いています。

また、通商産業研究所特別研究官や経済産業研究所（RIETI）のファカルティフェロー、研究主幹、貿易投資プログラムディレクターなど、幅広い役割を果たしてきました。

受賞歴

彼は多くの業績が評価され、2007年には日本国際経済学会より小島清賞（研究奨励賞）、2008年には国際ビジネス研究学会賞、2022年には第2回日本統計学会中村隆英賞を受賞しています。

著書

若杉の著書には、単著での『基礎から学ぶ国際経済と地域経済』（2020年）、Internationalization of Japanese Firms: Evidence from Firm-level Data（2014年）、『現代日本企業の国際化 - パネルデータ分析 - 』（2011年）、『現代の国際貿易 - ミクロデータ分析 - 』（2007年）、国際経済学に関するシリーズ6冊があり、長年の研究成果を凝縮した内容となっています。また、共著では『グローバル・イノベーション』（2011年）や『グローバル化と国際経済戦略』（2011年）などもあります。

若杉 隆平は、自らの研究と教育の分野で多大な貢献をし続けており、日本の経済学界において重要な人物と位置付けられています。

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