若林正丈

若林 正丈の業績と経歴

若林正丈（わかばやしまさひろ、1949年11月27日生まれ）は、日本を代表する政治学者であり、台湾現代史や政治に精通した専門家です。早稲田大学の名誉教授として、長年にわたり政治学や社会学の教育・研究に貢献してきました。東京大学で社会学博士の学位を取得後、『台湾抗日運動史研究』というテーマに取り組み、台湾の抗日運動に関する貴重な研究を残しました。

略歴

長野県長野市に生まれた若林は、1968年に長野県長野高等学校を卒業。1972年には東京大学の教養学部を卒業し、続いて1974年までに同大学院社会学研究科で国際関係論を学び、国際学修士の学位を取得しました。しかし、1977年には博士課程を退学し、東京大学教養学部の助手としてキャリアをスタートさせました。

1985年には社会学博士の学位を取得し、その後、在香港日本領事館での専門調査員を経て、東京大学の助教授、さらに教授に昇進しました。2010年からは早稲田大学政治経済学術院で教授として教鞭をとり、2013年には台湾研究所の所長代行も務めました。2020年には定年退職を迎えましたが、その学問への貢献は今も多くの学生や研究者に影響を与えています。

受賞歴

若林は、研究の成果として数々の賞を受けています。1997年には著書『蔣経国と李登輝』がサントリー学芸賞を受賞し、2008年には『台湾の政治』でアジア・太平洋賞を受賞しました。また、2009年には『台湾の政治-中華民国台湾化の戦後史』で樫山純三賞を受賞し、2020年には瑞宝中綬章を受章しています。これらの受賞歴は、彼の学問的な成果と研究への努力を証明するものです。

指導した門下生

若林の指導を受けた多くの学生や講師も、各大学で活躍しています。例えば、倉田徹（立教大学教授）、洪郁如（一橋大学教授）、田上智宜（熊本学園大学准教授）など、彼の指導を受けた多くの人々がそれぞれの分野で重要な貢献を続けています。

主な著書

若林の著書は、台湾に関する研究が多く、以下はその一部です。

• - 『台湾抗日運動史研究』（1983年、増補版2001年）
• - 『海峡――台湾政治への視座』（1985年）
• - 『台湾の政治――中華民国台湾化の戦後史』（2008年、増補版2021年）
• - 『台湾の半世紀――民主化と台湾化の現場』（2023年）

これらの書籍を通じて、彼の台湾に対する深い理解と独自の視点が伺えます。また、編著や共編著の作品も多数あり、台湾の政治や経済に関する研究を広める努力を続けています。

結語

若林正丈の業績は、台湾現代史や政治に関する理解を深める上で欠かせない存在です。彼の研究は学界だけでなく、一般の人々にも広く影響を与え続けており、その情熱と知識は未来の研究者たちにも引き継がれていくことでしょう。

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