若槻哲雄

若槻哲雄（わかつき てつお）は、1913年5月4日に長野県長野市で生まれ、1993年4月2日に生涯を閉じた日本の物理学者です。専門は原子核物理学であり、大阪大学の第10代総長を務めました。また、大阪府教育委員長としても教育行政に貢献しました。

経歴

1936年、大阪帝国大学理学部物理学科を卒業後、同大学の助手となります。その後、1947年に同大学の助教授に昇進しました。1953年には、論文「速い中性子の捕獲散乱について」で理学博士（大阪大学）の学位を取得しました。

1955年、大阪大学の教授に就任し、研究と教育に尽力しました。1959年には、理学部付属原子核実験所長に就任し、原子核物理学の研究を推進しました。1964年から1965年にかけては、米国ケンタッキー大学の客員教授として海外での研究活動も経験しました。

1969年には大阪大学理学部長に就任し、大学運営にも携わりました。1971年から1973年までは、京都大学原子炉実験所の教授も兼任しました。1975年には、大阪大学の学長に就任し、大学全体の発展に貢献しました。1979年に大阪大学を退官し、名誉教授となりました。

1986年には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。

研究分野

若槻哲雄は、原子核物理学、特に高速中性子の研究において多大な業績を残しました。彼の研究は、原子核の構造や反応機構の解明に大きく貢献し、日本の原子核物理学の発展を牽引しました。

教育活動

大阪大学の教授として、多くの学生を指導・育成し、後進の育成に尽力しました。その教育活動は、日本の物理学界に多くの人材を輩出する原動力となりました。

社会活動

大阪府教育委員長としても活躍し、教育行政にも携わりました。大阪府の教育の発展に尽力しました。

参考文献

『大阪大学歴代総長余芳』大阪大学出版会
『若槻哲雄氏の五十年』大阪大学五十年史資料・編集室
『若槻哲雄先生を偲ぶ』日本物理學會誌48(10)
『現代物故者事典 1991-1993』日外アソシエーツ

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