若狭神宮寺

若狭神宮寺

若狭神宮寺は、福井県小浜市にある天台宗の寺院です。霊応山を山号とし、本尊は薬師如来坐像です。特に、東大寺二月堂への「お水送り」が行われる寺として広く知られています。2015年には、「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群 - 御食国若狭と鯖街道 - 」の構成文化財として日本遺産に認定されました。

歴史

寺伝によれば、奈良時代の和銅7年(714年)に元正天皇の勅願により、若狭国一の宮である若狭彦神社の神願寺として、泰澄大師の弟子である沙門滑元によって開創されたと伝えられています。鎌倉時代初期には、寺号を若狭彦神社別当寺神宮寺と改めました。室町時代には、朝倉義景の寄進によって本堂が再建され、この本堂は現存しており、国の重要文化財に指定されています。

かつては七堂伽藍二十五坊を有する大規模な寺院でしたが、豊臣秀吉の時代に寺領を没収され、明治時代初頭の廃仏毀釈によって衰退しました。

文化財

若狭神宮寺には、数多くの文化財が保存されています。以下に主なものを紹介します。

重要文化財（国指定）

本堂: 室町時代の天文22年（1553年）に越前国守護の朝倉義景によって再建されました。間口14.34m、奥行き16.60mの規模で、和様を主体とする折衷様の建築様式が特徴です。建坪は110坪あります。
仁王門（北門）: 鎌倉時代末期に再建されたもので、間口6.37m、奥行き3.64m、棟高5.5mの単層屋根、切妻造、二軒和様杮葺八脚門です。至徳2年(1385年)に造立された木造金剛力士像一対が安置されています。
木造男神・女神坐像: 室町時代初期の作とされ、若狭一の宮の神宮寺奥の院に伝わる神像です。衣冠束帯の男神像は像高49.1cm、小袿姿の女神像は像高50.9cmです。

小浜市指定文化財

椎の木

伽藍

境内には、以下の伽藍があります。

本堂
仁王門
表門: 桃山時代に再建されました。
閼伽井戸
茶室
元三大師堂
大膳院（桜本坊）
書院庭園: 江戸時代初期に作られた庭園です。

交通アクセス

JRバス若江線 「遠敷（おにゅう）」バス停から徒歩約38分
小浜線 東小浜駅から徒歩約45分（駅にレンタサイクルあり）

周辺情報

若狭神宮寺の周辺には、以下の寺院や施設があります。

萬徳寺
蓮華寺
神通寺
森林の水PR館
明通寺
多田寺

若狭神宮寺は、豊かな自然と歴史的な文化財に囲まれた、心落ち着く場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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