若者のすべて (映画)

映画『若者のすべて』

概要

『若者のすべて』は、1960年に公開されたイタリアとフランスの合作映画であり、名匠ルキノ・ヴィスコンティが監督を務めました。これにより、モノクロ映像とビスタサイズ（1.85:1）で168分の長さを持つこの作品は、観る者に深い感銘を与えます。映画は、イタリア南部からミラノに引っ越した一家が直面する厳しい現実を描いており、南北イタリア間の経済的格差を鋭く捉えています。

ストーリー

物語は、未亡人のロザリア・パロンディとその4人の息子たちが舞台となります。彼らは、長男ヴィンチェンツォが住む都市ミラノへと移住しましたが、駅に到着すると、迎えに来るはずのヴィンチェンツォの姿はありませんでした。実は、ヴィンチェンツォは恋人ジネッタとの婚約祝いの最中でした。このことで、ロザリアはジネッタの母親と激しい口論を繰り広げ、パーティは台無しになってしまいます。

次男シモーネは、かつてプロボクサーを目指していた兄の影響を受けてジムに通うようになりましたが、彼はボクシングを続けることができず、娼婦のナディアとともに堕落してしまいます。三男ロッコはクリーニング店での職を失い、徴兵されることになります。やがて、長男ヴィンチェンツォは新しい生活を始め、四男チーロは学校を卒業し、技術者となります。

約1年後、ロッコは出所したナディアと再会し、恋に落ちます。そんな中、ボクシングジムのマネージャーはシモーネには失望しつつも、ロッコの才能を見抜きます。ロッコはナディアとの関係に奮闘しながらも、シモーネとの衝突が続きます。シモーネは、借金まみれになり、最終的にはナディアを惨殺してしまいます。この事件を受け、家族は分裂の道を歩むことになります。

キャラクター

• - ロッコ・パロンディ（アラン・ドロン）: パロンディ家の三男。
• - シモーネ・パロンディ（レナート・サルヴァトーリ）: パロンディ家の次男で、自堕落な生活を送る。
• - ナディア（アニー・ジラルド）: 娼婦で、ロッコとシモーネの間で騒動を引き起こす。
• - ロザリア・パロンディ（カティーナ・パクシヌー）: 家族を支える母親。

評価

本作は、ヴィスコンティの鋭い視点から描かれた社会問題を扱った作品として評価されており、特にヴェネツィア国際映画祭では審査員特別賞を受賞しました。単なる家族の物語ではなく、夢や挫折を通して人間の本質に迫る深いテーマを持っています。

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