若野省己

若野省己（わかの まさみ）について

若野省己は、日本で著名な物理学者であり、特に素粒子論の分野で高く評価されています。彼は京都大学の名誉教授であり、1994年3月に総合人間学部の教授職から定年退官しました。彼の業績は学界に多大な影響を与え、多くの後進研究者に刺激を与えてきました。

研究活動

若野氏の専門は素粒子論で、物理学の根本的な問題に取り組んでいます。特に、彼は著名な物理学者であるジョン・ホイーラーの弟子として知られており、ホイーラーから学んだ知識を基に様々な研究を進めました。1958年には、白色矮星がベータ崩壊の逆過程に対して不安定であることを示す重要な研究成果を発表しました。この発見は、天体物理学や素粒子物理学の理解を深める上で重要な意味を持っています。

京都大学を退官した後も、若野氏の研究は続きます。2011年には、ジョン・ホイーラーらが共同で執筆した一般相対性理論に関する著作『Gravitation（重力）』の日本語訳を出版しました。この翻訳は、日本における一般相対性理論の理解を促進する上で重要な役割を果たしています。

主な論文

若野氏の学術的な論文も、多くの重要性を持っています。以下は、彼が寄稿した主な論文の一部です：

• - K. Harrison, M. Wakano, J. A. Wheeler, Proc. Eleventh Solvey Congress, p.124.
• - K. W. Ford, D. L. Hill, M. Wakano, J. A. Wheeler, Annals of Physics 7 (3), 239–258 (1959).
• - M. Wakano, Prog. Theor. Phys. 35 (6), 1117-1141 (1966).

これらの論文は、彼の研究内容や見解を示す重要な資料であり、物理学の発展に寄与しています。

著書

若野氏はまた、いくつかの著書も執筆しており、特に次の著作が知られています：

• - B. K. Harrison, K. S. Thorne, M. Wakano, J. A. Wheeler, Gravitation theory and gravitational collapse（University of Chicago Press, 1965年）

この著作は、重力理論およびその応用に関する深い理解を提供しており、物理学者にとって貴重な参考文献となっています。

訳書

2011年には『重力理論』という書名で、先述のホイーラーによる著作の日本語訳も出版しました。ISBN 978-4621083277で発行され、この翻訳は日本国内における重力理論の普及に大きく貢献しています。

若野省己の研究と業績は、物理学界における重要な一ページを飾っており、今後も彼の貢献は多くの研究者によって評価され続けることでしょう。

もう一度検索