苦土フォイト電気石

苦土フォイト電気石について

苦土フォイト電気石（くどフォイトでんきせき）、英名でMagnesiofoititeは、1999年に日本で発見された新鉱物です。この鉱物は、カナダ・マニトバ大学の鉱物学者フランク・C・ホーソンにより発見され、山梨県の旧三富村、現在の山梨市の京ノ沢で採取されました。苦土フォイト電気石は、化学式が◻(Mg2Al)Al6(Si6O18)(BO3)3(OH)4であり、三方晶系に属しています。

この鉱物は、電気石（Tourmaline）スーパーグループの一部であり、その中にあるフォイト電気石（Foitite）グループに分類されます。興味深い点は、フォイト電気石の鉄成分がマグネシウムに置き換わったものであり、これが「苦土」という名の由来となっています。さらに、フォイト電気石はアメリカの鉱物学者フランクリン・フォイト（Franklin F. Foit, Jr.）にちなんで名付けられました。

発見者であるホーソンをはじめ、彼の研究チームが京ノ沢で標本を収集し、同様の研究を行っていた日本の松原聡氏らと共同で研究を進めた結果、苦土フォイト電気石としての特性が明確にされました。この共同研究は、日本での鉱物研究の進展に寄与し、新たな礎となりました。

苦土フォイト電気石の特徴として、化学組成に空隙があることが挙げられます。このため、成長した結晶は非常に小さく、無色または青みがかった灰色の針状の集合体として確認されます。しかし、外見上はしばしばフォイト電気石と区別がつかないため、正確な同定を行うには科学的な分析が絶対に必要です。

これまでのところ、本鉱物に関しては「酸化苦土フォイト電気石」である可能性が指摘されています。この点について、松原聡氏が再計算を行なうなどして、さらなる検討が必要であることが示唆されています。

苦土フォイト電気石の研究は、今なお進行中であり、新たな発見や理解がこの鉱物に対する重要な知見を提供することが期待されています。日本での新鉱物の研究は、世界的にも注目されており、その豊かな地質的背景が理論的確認を奨励しています。今後も、日本の鉱物が持つ潜在的可能性について目が離せません。

参考文献

• - 松原聡著「新鉱物発見物語」、岩波書店、岩波化学ライブラリー115、2006年

関連項目

• - 日本産新鉱物

外部リンク

• - Magnesio-foitite (例示的リンク)

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