苫小牧川

苫小牧川（とまこまいがわ）

苫小牧川は、北海道胆振総合振興局管内、とりわけ苫小牧市を流れ、太平洋に注ぐ二級河川であり、苫小牧川水系の本流をなしています。

地理

源流は、苫小牧市の丸山遠見（樽前山麓）に位置し、高丘森林公園、王子[[製紙]]社有の取水堰を経て有珠川との合流点に至ります。その後、元町地区を流れ、河口右岸にある苫小牧灯台付近から太平洋へと注ぎ込みます。

地名由来

その名はアイヌ語に由来し、「ト・マコマ・ナイ」（沼の・後ろにある・川）から転じたとされています。「マコマナイ」は「山の方・に入ってる・川」とも解釈され、樽前山の奥深くに入り込んでいる川という意味合いを含んでいたと考えられています。

利水と治水の歴史

かつて苫小牧川は、王子[[製紙]]苫小牧工場の西側を流れ、河口付近で有珠川と合流し、高砂町付近で太平洋に注いでいました。しかし、1952年の糸井地区における土地改良事業を契機に、有珠川の分川工事が始まりました。その結果、有珠川の下流側に新たな放水路が建設され、1953年以降は苫小牧川と有珠川は別々の川として流れを変えました。

その後、鉄北地区での開発が進むにつれて、苫小牧川流域における水害対策の必要性が高まりました。河川の流下能力が不足していたため、製紙工場の上流側で苫小牧川から有珠川に向けて新たな水路を掘削し、再び両河川を合流させる工事が行われることとなりました。この改修工事は1984年に完了し、有珠川との合流点から下流は「苫小牧川」と名称が変更されました。苫小牧川の旧川道敷は、遊歩道などに改修されています。

現在の流路は住宅地を貫流するため、保全を目的とした築堤と護岸工事が実施され、啓北橋下流には貯水堰が設けられています。また、上流部では、樽前山の噴火災害に備え、遊砂池の整備が進められています。青葉地区の河川敷はパークゴルフ場として地域住民に利用されています。河口から約4.5km上流に位置する王子[[製紙]]工業用水取水堰は、製紙プラント用の工業用水源として重要な役割を果たしています。かつては工場の排水先でもあり、操業初期の1911年には工場の排水（黒液）による環境問題も発生しましたが、その後、対策が講じられ、問題は解消されています。

サバナイ沼

苫小牧川流域の山手町一帯には、1960年代まで湿地帯が広がり、サバナイ沼が存在していました。サバナイという名前は、沼の所有者であった佐羽内氏の苗字に由来します。サバナイ沼は、コイの養殖地として利用されたほか、夏にはボート、冬にはスケートを楽しむことができる地域住民の憩いの場、レクリエーションの場として親しまれていました。しかし、前述した水害対策の必要性から、1969年以降の河川改修に合わせて沼の埋め立てが行われ、その姿を消しました。埋め立てに際して、沼に生息していたフナやウグイは、市内樽前地内の錦大沼に移殖されています。

流域の自治体

北海道
胆振総合振興局苫小牧市

支流

有珠川（苫小牧市）

関連項目

樽前山 - 伏流水源および河川名由来
王子[[製紙]]苫小牧工場 - 工業用水水源の所有会社
青葉駅 - 河口付近にあるJR室蘭本線の駅
苫小牧灯台 - 河口右岸にある施設
西町下水処理センター - 河口左岸にある施設

主な橋梁

苫小牧川橋 - 道央自動車道
新川３号橋
山手２号橋
見山橋
松風橋
有珠川橋 - 北海道道781号苫小牧環状線
啓北橋
有珠川橋梁 - JR室蘭本線
大成橋
寿橋 - 国道36号

外部リンク

北海道建設部土木局河川課
胆振総合振興局 室蘭建設管理部
苫小牧川水系苫小牧川　浸水想定区域図（苫小牧市）
王子[[製紙]]苫小牧工場
苫小牧灯台（日本の灯台）
樽前山直轄火山砂防事業

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