苫小牧西港フェリーターミナル

苫小牧西港フェリーターミナル：北海道の玄関口を支える海の拠点

苫小牧西港フェリーターミナルは、北海道苫小牧市入船町に位置する、太平洋航路のフェリーが発着する重要な旅客船ターミナルです。通称「苫小牧フェリーターミナル」や「開発埠頭フェリーターミナル」とも呼ばれ、北海道と本州、東北地方を結ぶ海上交通の要衝として、長年にわたり地域社会を支えています。

歴史と変遷：1970年代からの歩み

1971年、苫小牧港管理組合と苫小牧港開発株式会社は、石炭埠頭の岸壁を暫定的にフェリーターミナルとして利用することで合意。同年8月には暫定施設の建設が始まり、翌1972年2月には暫定ターミナルが稼働を開始しました。この暫定ターミナルは、日本沿海フェリー東京航路の就航を機に開設されました。

その後、本格的なフェリーターミナルの建設が進められ、1973年には開発埠頭に新ターミナルの建設工事が着工。太平洋沿海フェリー仙台・名古屋航路、シルバーフェリー八戸航路、新東日本フェリー仙台航路など、次々と新たな航路が開設され、利用客は増加の一途を辿りました。

1975年4月1日、現在のフェリーターミナルが正式に開業。鉄筋コンクリート造り3階建てのターミナルビルは、2つのバースを有し、建築面積1818平方メートル、延床面積4277平方メートルを誇りました。その後も、航路の増減や利用客数の増加に対応するため、1985年には3番目のバースが追加され、1994年にはターミナルビルのリニューアル工事が行われました。

2000年代以降も、航路の再編や移管、東日本大震災による運休などの出来事がありましたが、苫小牧西港フェリーターミナルは常に変化に対応し、北海道の海上交通の要としての役割を果たし続けています。2013年には、苫小牧港開発創業55周年・開港50周年を記念して、本館のリニューアルが行われ、レストランやミュージアムなどが整備されました。

施設概要：快適な旅の出発点

苫小牧西港フェリーターミナルは、3つのフェリーバースと、充実したターミナルビルを備えています。各バースにはボーディングブリッジが設置され、雨天時でも快適に乗船できます。

ターミナルビル1階にはフェリー会社のカウンター、授乳室などがあり、2階には待合ロビー、売店、レストラン、多目的ホールなどが設置され、乗客は快適に時間を過ごせます。また、高齢者や身体障害者、乳幼児連れのための優先待合室も用意されています。3階には苫小牧ポートミュージアムがあり、地域の歴史や文化を学ぶことができます。

さらに、広大な駐車場も完備しており、乗用車、トラック、バスなど様々な車両に対応しています。

就航航路：北海道と日本各地を結ぶ

現在、苫小牧西港フェリーターミナルからは、以下の航路が就航しています。

商船三井フェリー: 苫小牧港 - 大洗港（毎日運行）
太平洋フェリー: 苫小牧港 - 仙台港、苫小牧港 - 仙台港 - 名古屋港（毎日運行）
* 川崎近海汽船: 苫小牧港 - 八戸港（毎日運行）

これらの航路は、北海道と本州各地を結び、観光客やビジネスマン、そして地元住民の生活を支える重要な役割を担っています。

アクセス：便利なアクセス方法

苫小牧西港フェリーターミナルへのアクセスも便利です。JR苫小牧駅から道南バス、北海道中央バス、または車でのアクセスが可能です。かつては北都交通の新千歳空港直行バスも運行されていましたが、2019年3月31日に運行休止となっています。

まとめ：北海道の海の玄関口

苫小牧西港フェリーターミナルは、長年にわたる歴史と、充実した施設、そして便利なアクセス方法を備えた、北海道を代表するフェリーターミナルです。今後も、北海道の海の玄関口として、地域社会に貢献していくことでしょう。

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