苫谷直樹

広島県出身の苫谷直樹氏は、1988年10月21日生まれの元ラグビー選手であり、現在はジャパンラグビーリーグワンに所属する日野レッドドルフィンズにて広報の職務に携わっています。彼のラグビーに懸ける情熱は、故郷・広島での学生時代に培われ、プロ選手として全国の舞台で輝き、そして現在はチーム運営の重要な一角を担う立場へと続いています。

ラグビーとの出会いは、広島県内の学生時代に遡ります。高校は崇徳高校へ進学し、そこでラグビー部に所属して競技生活を本格化させました。高校卒業後、大学ラグビー界で常に強豪校として知られる存在である東海大学へ進学しました。東海大学のラグビー部で過ごした４年間は、全国レベルの選手たちと共に厳しいトレーニングに励み、個人のスキルアップはもちろんのこと、チームプレーヤーとしての視野を広げる上で非常に貴重な時間となりました。卒業後のトップリーグ入りを目指し、日々鍛錬を重ねた期間です。

2011年、大学での学びとラグビーを終えた苫谷氏は、その才能を認められ、当時のトップイーストリーグDiv.1に所属していた日野自動車レッドドルフィンズへ加入しました。ここから、彼のプロフェッショナルとしてのラグビーキャリアが幕を開けます。彼がフィールドで主に担った役割はセンター（CTB）でした。このポジションは、バックスラインの中央に位置し、アタック時には鋭いランや正確なパスでチャンスを演出し、ディフェンス時には最前線で相手の攻撃を食い止める、攻守両面において非常に重要なポジションです。身長176cm、体重91kgという体格は、力強いコンタクトプレーにも負けないフィジカルと、瞬時の判断でスペースを突くための機動力を兼ね備える上で、彼のプレースタイルに適していたと言えるでしょう。

日野自動車レッドドルフィンズの一員として迎えた最初のシーズン、苫谷氏は早くも公式戦の舞台に立ちます。2011年9月11日に行われたトップイーストリーグDiv.1の第1節、相手はラグビーの歴史と伝統を誇る釜石シーウェイブスでした。この注目の開幕戦に、苫谷氏は先発メンバーとして出場を果たし、プロ選手としての記念すべき公式戦デビューを飾りました。以後、2018年にチームを離れるまでの約7年間、彼は日野自動車レッドドルフィンズの選手として、チームの勝利のために献身的にプレーを続けました。グラウンドでの厳しい練習や試合、怪我との闘い、そしてチームメイトとの絆など、選手としての日々の中で多くの経験を積み重ねました。

2018年、苫谷氏は選手としてのキャリアにピリオドを打ち、日野自動車レッドドルフィンズを退団しました。プロ選手として歩んだ道は終わりましたが、ラグビー、そして所属したチームへの想いは変わりませんでした。現役引退後、彼は新たな形でチームに貢献する道を選びます。現在、ジャパンラグビーリーグワンへと舞台を移した日野レッドドルフィンズにおいて、広報という重要な役割を担っています。広報の仕事は、チームの活動状況や魅力を広く発信し、メディア対応やファンサービスを通じて、チームと社会との繋がりを深めることにあります。選手として長年チームの内側を見てきた経験は、チームの真の姿や伝えたいメッセージを理解し、効果的に伝える上で大きな強みとなっていることでしょう。グラウンドで体を張って戦った日々から、現在はチームの顔として、その声を届ける立場へと活躍の場を移し、引き続き日本のラグビー界に貢献しています。

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