英吉利法律学校

英吉利法律学校の歴史

英吉利法律学校は1885年、東京府神田区に設立された私立の法律学校で、その後、東京法学院、さらには中央大学へと発展する基礎となりました。この学校の設立は、当時の日本における法律教育のあり方に大きく影響を与えました。

創立の背景

当時、日本の近代法はフランス法の影響が強く、法律家の育成も官立の法学校が中心でした。しかし、旧東京大学法学部の卒業生を中心に英米法の教育を受けた法律家たちは、英米法の考え方を日本に取り入れるべく英吉利法律学校を設立しました。1885年7月には設立が認可され、9月には学校が正式に開校しました。初代校長には設立に関与した増島六一郎が就任し、同校は司法省からの支援も受けていました。

教育方針とカリキュラム

英吉利法律学校は、当初の英米法に関する授業の限られた内容から一歩進め、英米法の全般を網羅的に教授することを目的としました。また、経験主義や自由主義の精神を導入し、日本の司法制度の確立を目指しました。このアプローチは、当時の法廷実務における有用な知識を提供し、法律実務家の育成に寄与しました。

1889年には「東京法学院」と改称され、民法典論争においては英法派の中心として、法典実施の延期を主張しました。これにより、日本の法制改革においても大きな影響を与えたのです。

学校の発展と変遷

教育機関としての発展も続き、1903年には「東京法学院大学」と改名され、専修学校令に基づく専門学校として認可を受けました。そして1920年には現在の中央大学が正式に設立されました。学生数の増加に伴い、校舎も拡張され、1887年には新しい煉瓦造校舎が完成しましたが、何度かの火災や震災にも見舞われました。

1926年には駿河台南甲賀町に新校舎を建設し、旧校舎は売却されました。教育の場が移転しても、その精神は脈々と受け継がれ、現在の中央大学へとつながっています。

関連文献と脚注

英吉利法律学校の設立と発展については、多くの文献に詳しく記載されています。歴代の校長や学長、専門学校令に基づく大学への移行過程も文献に残されています。特に、中央大学の百年史や専門学校論に関する研究が、学校の歴史を理解する上での重要な資料となっています。

このように英吉利法律学校は、ただの教育機関にとどまらず、日本の法律教育の発展に寄与した重要な存在であり、その影響は今も続いています。

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