英国山岳会

英国山岳会について

概要

英国山岳会（The Alpine Club）は、1857年にロンドンで設立された数少ない山岳会の一つであり、世界で最も古い登山のための団体です。このクラブは150年以上の歴史を持ち、イギリスの登山家たちの名士会としても知られています。

特に「The Alpine Club」と言えば、他の国の山岳組織とは区別され、英国山岳会のことを指すと考えられます。設立以来、エベレストへの遠征などを通じて、その登山技術と探検精神を発展させてきました。現在の本部はロンドンのシャーロットロード55番地に位置しています。

設立の背景と歴史

1857年12月22日、ロンドンのアシュリーズ・ホテルに集まったイギリスの登山家たちによって、英国山岳会が設立されました。初代会長にはジョン・ボール、副会長にはE・S・ケネディが選ばれました。彼らは当時の一流の登山家たちで、アルプスの登山技術の発展に大きく寄与しました。

150年を経た現在でも、英国山岳会は存続しており、会員たちは今なお現役の登山家として、アルプスや世界中の山に挑み続けています。設立当初は、入会基準が曖昧でしたが、20世紀の中ごろには男女両方の基準が明確となりました。これにより、初心者は正式な会員資格を得るための努力を始めるようになりました。

活動と目的

この会はイギリスに本部を置いていますが、登山の対象はヨーロッパにとどまらず、世界中に広がっています。単に山を登るだけでなく、探検的な登山活動にも力を入れています。実際、初期の頃には活動が低地の散策にしか及ばなかったため、クラブは一度解散の危機を迎えました。しかし、1952年に設立された「アルパイン・クライミング・グループ」との統合により、より専門的な技術が蓄積されました。

会は登山ガイドを発行するほか、長い歴史の中で蓄積された登山記録や写真、書籍のコレクションも有しており、それらは会員や外部の登山愛好者にとって貴重な資料となっています。さらに、ジョージ・バンドによる『頂点：英国山岳会150年史』、ピーター・マレイユの『英国山岳会のアーティスト』などの著書によって、その歴史が広く知られるようになりました。

会の広報誌『アルパイン・ジャーナル』は、会の活動や登山に関する最新情報を提供する重要な媒体として知られています。

会員費用

2009年時点での会員費用は、39ユーロから60ユーロとなっており、27歳以下の若い会員は27ユーロで入会できます。特筆すべきは、入会費用を不要とし、より多くの人々が参加しやすい環境を提供している点です。

公認機材

1864年には、C・ピルキントンの指導の下、ピッケルやクライミングロープの公認を進めるための委員会が設立され、品質向上が図られました。これにより、ピルキントン型ピッケルやアルパイン・クラブ・ロープが長年の基準として採用されました。

歴代の会長

英国山岳会には数多くの著名な登山家が歴代の会長として名を連ねています。初代のジョン・ボールから始まり、E・S・ケネディ、アルフレッド・ウィルス、レズリー・スティーヴンと続き、近年ではリンゼイ・グリフィンが会長を務めています。これらの人物の貢献は無視できず、それぞれがクラブの発展に寄与してきました。

おわりに

英国山岳会は、ただの登山団体ではなく、登山文化の発展なり、技術の革新を追求する重要な組織としての存在意義を持ち続けています。現在でも活発に活動し、次世代の登山家を育成する重要な役割を果たしています。

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