英国放送協会のラジオ放送

英国放送協会（BBC）ラジオ放送の歴史と現状

英国放送協会、通称BBCは、ラジオ放送においても長い歴史を持ち、その進化を続けています。本稿では、BBCのラジオ放送の始まりから現在までの旅をご紹介します。

1920年代の黎明期

1920年の1月15日、英国郵政庁が、マルコーニ無線電信会社の送信機にラジオ放送の免許を与えたことから、英国におけるラジオ放送が始まりました。初めての定期放送は、長波帯の周波数120 kHzで行われ、オペラ歌手ネリー・メルバのライブ演奏が三カ国語で海外に向けて放送されるなど、注目を浴びました。しかし、英国空軍との混信の問題から放送は一時中止されます。

2年後、米国でのラジオ人気の影響を受け、英国でも再びラジオ放送が許可されました。1922年には、複数の企業が出資して「英国放送会社」(British Broadcasting Company)が設立され、初のラジオ局が誕生しました。

BBCの設立とその影響

1927年1月には、英国放送会社が国王の特許状の下、英国放送協会（BBC）に改組されます。この変革により、コールサインの使用停止や、放送プログラムが全国放送や地域放送に分かれるなどの制度変更が行われました。1932年には海外向けのエンパイア・サーヴィスが開始され、王室の行事の中継も本格化しました。これによりBBCの影響力が急速に拡大していくことになります。

第二次世界大戦と戦後の成長

1939年の第二次世界大戦開戦に伴い、BBCは放送体制を見直し、戦時中は「BBCホーム・サーヴィス」へと統合されました。戦争中には、イギリス軍に向けた特別プログラムも設けられ、これが広く受け入れられました。戦後、BBCは新しい局として「BBCライト・プログラム」や「BBCサード・プログラム」を開局し、多様なジャンルをカバーしていきました。

1980年代から現在への進化

1980年代に入ると、BBCはFM放送やデジタルラジオの導入を進め、リスナーのニーズに応じた番組を提供するようになりました。1990年代には、ラジオ5が新たに開局し、スポーツ中継を強化。さらに、100年代にはデジタル専門局を次々と立ち上げ、多様性のある音楽番組や地域発信の放送を展開しました。

現在のBBCラジオは、ラジオ1、ラジオ2、ラジオ3といった主要局に加え、地域局やデジタル専門局も運営しています。特に、ラジオ1は若者向けの最新ヒット曲を中心に、ラジオ2は幅広い年齢層に渡る番組を提供。ラジオ3はクラシック音楽を主軸に、文化番組も充実しています。

まとめ

BBCのラジオ放送は、創立以来多くの変遷を経て、現在に至るまで様々な角度からリスナーに情報やエンターテインメントを提供しています。特に近年のデジタル化により、従来の放送とは異なる新たな体験を求めるリスナーに応える形で、サービスを続けています。今後もBBCのラジオ放送は進化を続け、文化や情報の拠点として重要な役割を果たしていくことでしょう。

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