長波

長波（LF/LW）とは

長波（ちょうは）とは、30kHzから300kHzの周波数帯の電波を指します。これは、波長で言うと1kmから10kmに相当し、キロメートル波とも呼ばれます。英語では、Low Frequency（LF）またはLong Wave（LW）と表記されます。

長波の主な特徴

長波の大きな特徴として、特に高緯度地域において地表波が安定して利用できる点が挙げられます。また、比較的容易に大電力の送信機を製作できるため、様々な用途に用いられています。

長波の利用

長波は、その特性から以下のような分野で活用されています。

対潜水艦通信: 海中での通信に長波が利用されます。
ラジオ放送: 特にヨーロッパやアフリカなどの地域で長波放送が実施されています。日本でも、かつては長波放送を受信することができましたが、現在では多くの局が廃止されています。
誘導無線: 無線による誘導システムに長波が用いられます。
標準[[電波]]: 時間や周波数の標準となる電波を送信するのに利用されます。
LORAN-C無線航行: かつては、航法システムとしても利用されていました。
アマチュア無線: アマチュア無線でも長波帯が利用されています。

長波放送の詳細

国際電気通信連合（ITU）は、無線通信規則（RR）において、第1地域（アフリカ・ヨーロッパ）に放送用として148.5kHzから283.5kHzの周波数帯を割り当てています。このうち、155kHzから283.5kHzの帯域は航空無線航行との共用です。

ヨーロッパ、トルコ、アフリカ、ロシア、モンゴルなどでは、振幅変調（AM）方式による長波放送が行われています。日本でも、秋から春の夜間には、ロシア沿海州やモンゴル、深夜にはタジキスタンなど遠距離の放送を受信することが可能でした。しかし、近年では長波放送を廃止する局が多く、2022年現在、日本周辺で受信できる長波放送局はモンゴル国営放送のみとなっています。

アマチュア無線における長波

アマチュア無線にも長波帯が割り当てられています。ただし、これは他の業務と共用されている周波数帯を含みます。各国でアマチュア無線に割り当てられている周波数帯は異なります。

アマチュア無線における長波帯は、主に電信とデータ通信に使用されます。特に、占有帯域幅が200Hz以下の狭い帯域幅での通信に用いられます。

日本における長波利用施設

日本国内では、以下のような施設で長波が利用されています。

JJY: 福島県と佐賀県にある、40kHzと60kHzの標準[[電波]]を送信する施設です。
無指向性無線標識: 190kHz以上の周波数を利用した、航空機などの位置を特定するための無線標識です。
* DGPS局: 288kHz以上の周波数を利用した、より高精度な位置情報を取得するためのシステムです。

まとめ

長波は、その特性から多様な用途で利用されている電波です。特に、地表波が安定して伝搬する特性から、遠距離通信や水中通信に適しています。かつてはラジオ放送で身近な存在でしたが、現在では利用が減少傾向にあります。しかし、アマチュア無線や航法システムなど、特定の分野では依然として重要な役割を果たしています。

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