英雄の条件

映画『英雄の条件』の概要

『英雄の条件』（えいゆうのじょうけん Rules of Engagement）は、2000年に公開されたアメリカのサスペンス映画であり、監督はウィリアム・フリードキンによる作品です。この映画は、トミー・リー・ジョーンズとサミュエル・L・ジャクソンなど、実力派俳優たちが出演していることでも知られています。

ストーリーの背景

物語は、イエメンで起きた米国大使館包囲デモ事件から始まります。この事件では、米国政府が要請した海兵隊が、大使館員を救出するために出動します。しかし、状況が急変し、民衆が暴徒化し、銃撃事件が発生してしまいます。この結果、多くの一般市民が犠牲になりました。

発砲を命じたのはテリー・L・チルダーズ大佐（サミュエル・L・ジャクソン）です。彼は、その後軍法会議にかけられ、処罰を受けることになります。彼を弁護するのが、かつて彼に命を救われた戦友ヘイズ・ホッジス（トミー・リー・ジョーンズ）です。この法廷での弁護が物語の中心になり、さまざまな葛藤が描かれます。

解説

この映画において重要なポイントは、イエメンの米国大使館前でのデモに関する2つの疑問です。まず、デモを行っていた群衆が武装していたのか、それとも武器を持っていなかったのかという点です。次に、先に発砲を行ったのが群衆であったのか、チルダーズ大佐の部隊であったのかという問題があります。この2つの問いは、法廷での展開に大きく影響し、緊迫感を生む要素となります。

人種的な議論

本作品は、アラブ人の描写について広範囲から批判を受けています。特に、アメリカ・アラブ反差別委員会は本作を「おそらく過去のハリウッド作品で有史以来最もアラブ人に対して差別的」だと評しました。また、評論家たちも、登場するイエメン人の描写が非常に偏見に満ちていると指摘しています。特に彼らの容姿や表情が過剰に強調され、暴力的なイメージを助長する形となっており、このことが作品のメッセージの歪みを引き起こすのではないかとの意見があります。

作品の評価

映画の評価は賛否が分かれています。Rotten Tomatoesでは、98件のレビュー中37%が好評であり、平均評価は低めの5点となっています。批評家たちは、脚本の説得力不足や法廷内のアクションの魅力の欠如を指摘しています。Metacriticでも、31件中7件が高評価としつつ、大半は賛否が分かれる意見が目立ち、平均点は45点と芳しくありません。

この映画は、極限状態での人間の道徳観や葛藤、そして戦争に対する批判をテーマにしているものの、描写の仕方が物議を醸し出しており、視聴する際にはその点に留意する必要があります。

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