英雄伝説 ガガーブトリロジー

英雄伝説 ガガーブトリロジー

『英雄伝説 ガガーブトリロジー』は、日本ファルコムが開発・発売したコンピュータRPG『英雄伝説』シリーズの第二期を指します。シリーズの3作目から5作目にあたる『英雄伝説III 白き魔女』、『英雄伝説IV 朱紅い雫』、『英雄伝説V 海の檻歌』の3作品で構成されています。

概要

ガガーブトリロジーは、第一期である『イセルハーサ編』とは世界設定を一新し、新たな舞台で物語が展開されます。各作品の舞台は、互いに隣接しながらも「ガガーブ」と「大蛇の背骨」と呼ばれる地形によって隔絶された3つの世界です。

各作品は独立した物語として楽しめますが、特に『III』と『IV』は直接的な繋がりは薄いです。しかし、シリーズを通して作品を越えた繋がりが存在し、完結編である『V』によって3作品の関係性が明らかになります。最終ダンジョンで仲間たちが主人公を助けに駆けつける演出は、シリーズの定番となっています。

『新・英雄伝説III「白き魔女」』のリメイク時に初めて「ガガーブトリロジー」という名称が使用されました。

各タイトルに合わせて、『白き魔女』は白、『朱紅い雫』は赤、『海の檻歌』は青がイメージカラーとして用いられ、トリコロールカラーを形成しています。

リメイク

『III』と『IV』はPC98向けにオリジナル版が発売され、後にWindows向けにリメイクされました。そのため、PC98版は「旧」、Windows版は「新」として区別されます。『V』はオリジナルがWindows向けであり、PC98版やファルコム自身によるリメイクは存在しません。

『III』のリメイクは戦闘システムに重点が置かれましたが、『IV』のリメイクはシステム・ストーリーともに大幅な変更が加えられ、別ゲームと言えるほどの違いがあります。リメイク以前は独自だった『IV』のゲームシステムは、『III』・『V』に合わせて変更され、世界設定も「ガガーブトリロジー」としての統一性が高められました。

オリジナル版は『III』（旧）→『IV』（旧）→『V』の順に発売されましたが、Windows版は『III』（新）→『V』→『IV』（新）の順で発売されており、ゲームシステムもこの順に発展しています。

世界設定

南北に走る大地の割れ目「ガガーブ」と、その南を東西に走る険しい大山脈「大蛇の背骨」によって、3作品の舞台は完全に隔絶されています。

• - 『III』の舞台：ガガーブの東側のティラスイール
• - 『IV』の舞台：ガガーブの西側のエル・フィルディン
• - 『V』の舞台：大蛇の背骨の南側のヴェルトルーナ

各世界は「ガガーブ」と「大蛇の背骨」を越える技術を持たないため、交流はありませんが、全ての世界で「ガガーブが出来た年」を元年とする「ガガーブ暦」が使用されています。時代設定は『IV』→『V』→『III』の順で、それぞれガガーブ暦936年、943年、992年です。

システム

『イセルハーサ編』と同様に、全作品がコマンド選択型のRPGです。旧『IV』は独自のシステムが多いですが、Windows版の3作品は共通点が多くなっています。

シリーズの特徴

• - 章分け構成（新『IV』は「部」、旧『IV』は章分けなし）
• - フィールド・ダンジョン・街など、マップは全て同じ縮尺
• - 同じマップ上での戦闘
• - 定点でのランダムエンカウント
• - (Win) 半オート・半手動選択の疑似リアルタイム戦闘
• - (Win) キャラクターを選択し、円状のアイコンで手動選択（選択中は時間停止）
• - 魔獣を倒すと換金アイテムを入手
• - 各地のシリーズ本を集めると貴重なアイテムと交換可能

シリーズ作品の多くは様々なプラットフォームに移植されています。

主題歌

PSP版には、3作品共通の主題歌が用意されています。

• - 作詞・作曲・歌：riya、編曲：MANYO
• - オープニング「時の向こう側」
• - エンディング「空の果てへ」

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