英雄伝説III 白き魔女

英雄伝説III 白き魔女

『英雄伝説III 白き魔女』は、1994年に日本ファルコムがリリースしたコマンド選択型ロールプレイングゲームで、同社の人気RPGシリーズ《英雄伝説（英伝）シリーズ》の第3作目です。本作は、ファルコムが展開する〈ガガーブトリロジー〉の第一弾でもあり、1999年にはリメイク版も登場しました。

概要

このゲームは、架空の世界「ガガーブ歴」を背景にした物語で、東側には巨大な大地の裂け目「ガガーブ」がそびえています。物語は、大陸ティラスイールを舞台に、成人の儀式である巡礼の旅に出るジュリオとクリスの二人の主人公が、かつての魔女・白き魔女の足跡を追いながら数々の出来事に直面する様子を描いています。

本作は、前作『英伝I』および『英伝II』から新たな設定に生まれ変わり、第2期に移行したことを意味しています。また、物語はガガーブ歴992年を描写しており、同トリロジーのストーリー作りにおいても基盤となっています。

ゲームシステム

本作のシステムは、章立ての構成を採用しており、一般的なコマンド選択型RPGのスタイルを踏襲しています。プレイヤーは、NPCから情報を得たり、特定の条件をクリアして進行することで物語を体験します。経験値システムによりキャラクターが成長し、ストーリーの進行に伴って新たな能力を獲得していきます。

戦闘は、フィールドマップ上で行われ、敵との出会いの瞬間に戦闘画面に切り替わります。各キャラクターには、独自の戦闘スタイルと魔法が設定されており、戦略的なバトルを楽しむことができます。特に、魔法は二つの系統に分けられ、それぞれ異なる特性を持っています。

世界設定

ティラスイールは、ガガーブの東側に位置する大陸で、西にはガガーブ、南には大山脈、北東には「沈黙の海」があり、外界から隔絶された独特の世界です。本作には、フォルティア、メナート、チャノムなど8つの国が存在し、それぞれの国には独自の文化や魅力があります。

また、巡礼の旅の風習は、かつてティラスイールを訪れた魔女たちの足跡を模倣したもので、成人の儀式として重要な役割を果たしています。旅は魔法の鏡を訪れることを目的としており、主人公たちはその証として銀の短剣を持つことで特別な恩恵を受けることができます。

登場人物

物語は、主人公ジュリオと彼の幼馴染クリスが中心となり展開します。ジュリオは気弱で内気な少年でありながら勇気を振り絞って冒険に出る一方、クリスは明るく元気な性格の持ち主です。その他にも、個性的な仲間たちが続々と登場し、それぞれの背景を抱えながら物語に深みを与えます。

評価と影響

『英雄伝説III 白き魔女』は、発売当初からそのストーリーに対する高い評価を受けており、多くのアワードを受賞しました。柔らかくも言葉で紡がれる深い物語は、今なおプレイヤーの心に残り、続くシリーズ作品にも影響を与えています。特に、2004年に登場した『英雄伝説VI 空の軌跡』の開発にも、本作のファンが多く関与していることから、その人気は衰えません。

本作は、ファルコムのRPGの中でも特に感動的なエピソードとキャラクターたちの成長が光る作品として、多くのファンの心に長く残る存在となっています。

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