英領ゴールド・コースト

英領ゴールド・コースト

英領ゴールド・コースト（Colony of the Gold Coast）は、アフリカ西部に位置するギニア湾周辺のイギリスの植民地です。正式には「黄金海岸」とも呼ばれ、その名はこの地域から多くの金が採掘されたことに由来します。

歴史的背景

ヨーロッパ人の進出

この地への最初のヨーロッパ人は1471年にポルトガルからやってきました。彼らはここに存在する金を産出するいくつかの王国と接触し、1482年にはエルミナ城を建設し交易拠点を形成しました。この拠点では金のほか、奴隷や様々な交易品がやり取りされ、後にイギリスをはじめとする他のヨーロッパ諸国も加わりました。多くの金がこの地方から出たため、その名は「黄金海岸」と広まっていきます。

英植民地の設立

1821年、イギリスはこの地域における土地所有権を獲得し、ついに英領植民地となりました。1850年にデンマークが、また1872年にはオランダが持っていた砦をイギリスに売却し、イギリスの支配は次第に強化されました。

アシャンティ王国の征服

イギリスは、小さな王国や他の民族を支配しながら内陸のアシャンティ王国に侵攻していきます。アシャンティ王国はガーナ地域の大部分を支配しており、イギリスの主要な敵となりました。1863年から1864年にかけて勃発した第一次英アシャンティ戦争は、奴隷制に対する意見の相違から起こりました。続く戦争ではイギリスが次第にアシャンティの首都を奪い、1896年にはアシャンティ帝国の独立が失われました。1900年、ホジソン総督によるアシャンティの玉座を巡る騒動が引き金となり、結果的に1902年1月にはアシャンティはイギリスの保護国となります。

植民地経済の発展

1901年には黄金海岸全域において王国や部族がイギリスの領土に組み込まれ、金、ダイヤモンド、象牙、胡椒など豊かな資源がイギリスにより積出されました。また、入植者達により整備された鉄道が後のガーナの交通網の基礎となり、西洋式の病院や学校の建設も進められました。

独立への道

第二次世界大戦後の1945年には、住民による自治の要求が高まり、脱植民地化の動きが始まりました。1956年にはイギリス領トーゴランド、アシャンティ保護国、ファンテ保護国が併合され、翌1957年にはゴールド・コーストが独立し、ガーナ共和国と名乗るようになりました。この独立は西アフリカにおける他の国々の自治や独立に対する希望の象徴となりました。

結論

英領ゴールド・コーストの歴史は、ヨーロッパの植民地支配がアフリカに与えた影響を如実に示しています。特に、他の国々への独立の道を開く上での重要な役割を果たしました。

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