茂出木心護

茂出木心護について

茂出木心護（もでぎ しんご）は、1911年3月28日に東京で生まれ、1978年6月1日に亡くなった日本の著名な料理人である。彼は東京都芝区にある老舗の洋食店「たいめいけん」を創業し、その名は今でも広く知られている。本名は茂出木眞太郎である。心護は、独自のスタイルで料理の発展に貢献し続けた。

生涯と業績

茂出木は、家計が崩壊した影響で、1927年に明治学院中学部を中退した後、東京・京橋にあった西洋料理店「泰明軒」で修業を始めた。ここで彼は西洋料理や中華料理について学び、1931年には「泰明軒」の名を受け継いで東京都中央区新川に独立店舗を開いた。彼は1948年に日本橋に移転し、店の名称を「たいめいけん」に変更した。

心護が手がけた料理は、その味とスタイルで人気を博し、特に小皿料理の導入により多くのファンを獲得した。1960年には「お料理110番」と題された無料相談電話を始め、料理に関する情報提供を行う試みも行った。このサービスは、一般の人々にとって役立つだけでなく、後のプロフェッショナルとしての道を進む人々にとっても重宝された。

1969年には、「日本の凧の会」を設立し、個人的な趣味であった凧作りと収集を通じて、多くの人々とその魅力を分かち合った。この団体は現在でも活動を続け、大きな規模になっている。心護は、料理だけでなく文化的な面でも影響力を持った人物であった。

心護は1978年に大腸がんにより67歳で亡くなるまで、多くの人々に愛され続けた。彼の死後も、彼のレシピや料理スタイル、そしてたいめいけんは、その伝統を引き継ぎ続けている。

有名人との交流

茂出木心護は、多くの有名人との親交があった。具体的には、落語家の林家彦六や作家の池波正太郎、映画監督の伊丹十三などと交流を持ち、特に伊丹十三に至っては、たいめいけんの名物料理であるタンポポオムライスの元となるレシピを考案した。さらに、料理評論家の山本益博とも友好的な関係を築いていたことが知られている。

画家の向井潤吉とは特に深い関係を築き、心護の葬儀では葬儀委員長を務めてもらった。また、林家彦六の趣旨により、たいめいけんの中で定期的に落語会を開催するなど、料理の枠を超えて文化的な交流を深めていった。

料理についての著作

彼の影響は料理だけにとどまらず、多くの著書も残している。『お料理110番』や『洋食のこつ』など、料理に関するエッセイや技術書を数多く出版し、多くの読者に向けてそのノウハウを伝えている。これらの著作は、料理人としての知識や技術を広めるための重要な資料となっている。彼の著作は、料理を学ぶ上での貴重な教本となっているだろう。

まとめ

茂出木心護は、自身の料理の技術と知識を通じて日本の洋食文化の発展に寄与した料理人であり、彼が創り上げたたいめいけんは、今も多くの人に親しまれている。彼の多彩な活動や人脈は、ただの料理人を超えた文化人の側面を見せている。彼が残した足跡は、これからもわたしたちに影響を与え続けるだろう。

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