茜さんのお弁当

茜さんのお弁当

『茜さんのお弁当』（あかねさんのおべんとう）は、1981年10月21日から同年12月30日まで、毎週水曜日の21時00分から21時55分にかけて、TBS系列の「水曜劇場」枠で放送されたテレビドラマです。

概要

この作品は、杉本哲太さんと嶋大輔さんにとって記念すべき連続ドラマデビュー作となりました。また、アイドルグループ「ピンク・レディー」の解散後、MIE（現：未唯mie）さんが初めて連続テレビドラマに出演した作品でもあります。プロデューサーを務めた堀川とんこう氏によると、放送開始前は、前番組の視聴率が低迷していたこともあり、TBS内部から「なぜこのような地味な企画を進めるのか」といった懐疑的な声も聞かれたそうです。しかし、放送が開始されると徐々に視聴率が上昇し、最終的には多くの視聴者に支持され、後には伝説的なドラマとして語り継がれる存在となりました。堀川氏は、本作の主要テーマとして「非行少年の更生」を挙げています。また、杉本さんや嶋さんといった当時の若手をキャスティングした理由については、ツッパリ役に求められるリアリティのある雰囲気を持つ少年たちを選んだと述べています。ちなみに、出演者の嶋大輔さんは、放送期間中に地方でのコンサート中に観客とのトラブルで負傷し、一部のエピソードでは松葉杖をついた姿で出演するというアクシデントもありました。

あらすじ

物語の舞台は、主人公・茜が経営する仕出し弁当屋「あかね弁当」です。ある日、店で働く従業員たちが突然次々と辞めてしまい、「あかね弁当」は深刻な人手不足に陥ってしまいます。この窮状を見かねた従業員の土門渉は、かつて少年院で知り合い、現在は定職に就けずにくすぶっていた元少年院のツッパリ少年4人を連れてきます。彼らはそれぞれ個性的で、一筋縄ではいかない問題児ばかりでした。少年たちは店で働き始めますが、すぐに様々なトラブルを巻き起こします。しかし、店の看板娘である茜や、他の従業員たちとの日々の仕事や共同生活、そして衝突を通じて、彼らは次第に心を通わせ、互いを理解し合うようになっていきます。弁当屋という温かい共同体の中で、少年たちが過去と向き合い、人間関係を学びながら更生していく姿が丁寧に描かれます。

主な出演者

西木茜：八千草薫
野口光：長山藍子
宮間京子：MIE
木村求一：中条静夫
土門渉：古尾谷雅人
石倉公一：嶋大輔
小林実：杉本哲太
立川信夫：柄沢次郎
平井俊：曽我泰久
宮間六郎：所ジョージ
石塚夕子：石原真理子
山田重一：矢崎滋
石塚順次郎：川谷拓三
米持静：草笛光子

その他、柳葉敏郎さん、ケーシー高峰さんら多数の俳優が出演しています。

スタッフ

脚本は金子成人氏が全話担当しました。
演出は竹之下寛次氏、高畠豊氏。
プロデューサーは前述の堀川とんこう氏。
音楽は大谷和夫氏が手掛けています。

主題歌

主題歌には、Johnny氏の「ジェームス・ディーンのように」が使用されました。この曲もまた、ドラマと共に広く知られることとなります。

この作品は、社会の片隅で居場所をなくしていた少年たちが、一つの場所で人間的な温かさに触れ、更生へと歩みを進める過程を描き、当時の視聴者に強い印象を残しました。

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