茨城廃寺跡

茨城廃寺跡について

茨城廃寺跡（ばらきはいじあと）は、茨城県石岡市貝地に位置する古代寺院の遺跡です。この寺跡は常陸国茨城郡の郡寺の跡とされ、石岡市の指定史跡にもなっています。かつては「小目代廃寺」とも称されていましたが、1979年から始まった数度の発掘調査により、その歴史的な価値が再評価されています。

歴史的背景

茨城廃寺跡は、石岡台地の南端に位置し、地域の古代の宗教的な中心地であったと考えられています。調査によると、7世紀後半に建立されたと推測され、国分寺に先行する初期の寺院遺構が見つかっています。出土した遺物には陶器や金属製品、仏像の一部などがあり、特に墨書銘のある土器が寺院名の特定に寄与しています。これにより、この場所が茨城郡寺であったことが確証されています。

出土品の中には「茨木寺」や「茨寺」の文字が記されているものもあり、これは茨城という地名の由来や変遷についても語る重要な証拠となっています。発掘された遺物の一部は、石岡市民俗資料館や常陸風土記の丘に展示されています。

伽藍配置

寺院の伽藍配置は法隆寺式であり、塔や金堂が東西に配置されていて、その北には講堂が存在します。推定される寺域の大きさは1町半四方ほどです。これにより、当時の寺院の規模や信仰の中心としての役割を理解する手がかりが得られます。

調査と指定文化財

2011年からは第4次の発掘調査が行われ、寺域の北部が確認されました。2012年には、遺構が重要な歴史的資産であることから、石岡市指定史跡として指定されました。特に2016年の第6次調査では、中門の遺構が発見され、法隆寺式伽藍配置であることが確定しました。

周辺には、寺院の礎石がいくつか確認されており、これらは古い形式のものとして文化財に指定されています。具体的には、茨城廃寺の礎石1号から7号が石岡市指定有形文化財として保護されています。

関連文化財

さらに、茨城廃寺跡に関連する文化財として「瓦塚窯跡」があります。この瓦窯は、茨城廃寺を含む地域の寺院で使われる瓦を生産しており、1937年には茨城県指定史跡に、その後2017年には国の史跡に指定されています。

まとめ

このように、茨城廃寺跡は、古代の宗教的な歴史を物語る貴重な場所であり、出土した遺物や伽藍配置から多くの情報を提供しています。これからも研究が進む中で、さらなる歴史の真相が明らかにされることが期待されています。

もう一度検索