茨城新聞

茨城新聞について

茨城新聞（いばらきしんぶん）は、茨城県水戸市に本社を構える株式会社茨城新聞社が発行する地方新聞です。同社は朝刊のみに特化し、茨城県内全域に配布されています。しかし、地元ニュースだけでなく、全国や国際的な情報も盛り込んでおり、特にweb版では共同通信の配信記事も掲載しています。

発行部数は約12万2千部であり、茨城県の全世帯の約10％をカバーしています（2019年時点）。競争が激しい県南エリアでは、全国紙と対抗しながらも部数が微増している状況です。茨城新聞は、読売新聞の発行部数には及ばないものの、朝日新聞や毎日新聞、東京新聞と比較しては多くの購読者を持っています。

特筆すべきは、茨城新聞を専門的に扱う販売店が少なく、ほとんどの販売店は他の新聞も取り扱っている点です。県民に親しまれているのは、読者投稿やコラムだけでなく、第一社会面で掲載される4コマ漫画「アンズちゃん」（作:田中しょう）も人気コンテンツの一つです。

沿革

茨城新聞の歴史は、1891年（明治24年）に遡ります。創刊当初は「いはらき」の名で発行され、その後に本社が南町に置かれました。同年9月には飯村丈三郎が社長に就任し、1896年には明治三陸地震の義援金を寄付するなど地域貢献を行ってきました。

1918年には水戸の大火によって本社が消失し、その後1919年に新社屋が完成しました。また、1942年には茨城新聞へと題号変更され、その後も発行形態の変貌を経て成長していきました。このように、数多くの歴史的な出来事がある中、新聞社としての地位を確立してきたのです。

最近の沿革に目を向けると、2013年に本社を水戸市笠原町へ移転し、経営再建のために2014年には分社化を行いました。2023年には、購読料金の改定を行い、地域の動向に対応した柔軟な経営を目指しています。

支社・支局および印刷

新聞の印刷は茨城町にある「アサガミプレス茨城」が行っています。かつては茨城プレスセンターが印刷責任を持っていましたが、2010年に業務提携を結ぶなどして、現在の形に至っています。

茨城新聞は、テレビおよびラジオ番組欄も充実しており、地元のテレビ局やラジオ局の情報を提供。これにより、県民は地元の情報に密接に触れることが可能です。

不祥事

2020年には不祥事が発生し、当時の男性支局長が取材中に不適切な行為を行ったことが問題とされ、社内で厳正な処分が下されました。この例は、職業倫理の重要性を再認識する契機ともなりました。

その他

また、茨城新聞はJリーグの鹿島アントラーズに関連するマッチデープログラム「ヴァモス Antlers」を発行しており、無料で配布されています。これにより、地域スポーツと深い繋がりを持ち続けています。

今後も、茨城新聞は地方新聞としての役割を果たしつつ、地域情報の発信源としての使命を全うしていくことが期待されます。

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