草壁焔太

草壁焔太の生涯と業績

草壁焔太（くさかべ えんた）は、1938年に関東州大連市で生まれ、後に日本の文壇で特異な存在感を放つ詩人、評論家、翻訳家として広く知られています。彼は本名を三好清明とし、五行歌の創始者として特に名高いです。

生い立ちと教育

終戦後の1946年、9歳という若さで香川県の小豆島に引き揚げた草壁は、香川県立小豆島高等学校を経て、東京大学文学部西洋哲学科を卒業しました。大学時代には文学や哲学に没頭し、この時期に彼の詩的感性が芽生えることとなります。

詩への道のり

1956年、草壁は前川佐美雄の主宰する「日本歌人」に入会し、詩人の道を歩み始めます。翌1957年には新しい詩形である「五行歌」を創案しました。自由詩と並んで自らの手法を用いて詩作を続ける中、草壁は詩の新たな可能性を追求しました。

作品と影響

彼の作品としては、1966年に初の詩集『ほんとうに愛していたら』を発表し、その後も多数の詩集を出版しました。特に詩歌雑誌「絶唱」「湖上」「詩壇」を主宰し、次世代の詩人たちへの影響を与えました。特筆すべきは、1990年代に入ってからの活動で、1993年に五行歌集『心の果て』を刊行し、翌年には「五行歌の会」を設立しました。この組織を通じて、五行歌の普及に尽力し、月刊『五行歌』を創刊しました。

著作一覧

草壁焔太はその生涯にわたり、数多くの著作を残しています。以下は彼の代表的な著書です：

• - 『ほんとうに愛していたら』 六芸書房 (1966)
• - 『啄木と牧水―二つの流星』 日貿出版社 (1976)
• - 『五行歌の事典』 東京堂出版 (2001.6)
• - 『すぐ書ける五行歌』 市井社 (2008.9)
• - 『梅は丸く咲いてくる』 市井社 (2025.5) など

草壁の著作は多岐にわたり、詩集だけでなく、五行歌についての専門書も数多く出版され、彼の理論や実践は多くの読者に支持されています。

翻訳と他の活動

草壁は詩だけでなく翻訳家としても活躍しました。特に、ジェームス・ブリスとジョセフ・モレラによる『左利きの本』といった作品の翻訳が評価されました。また、彼自身の漫画原作も手がけており、1974年には『ガラスの橋』が講談社から刊行され、時代の流れを反映する作品となりました。

結論

草壁焔太はその独自の視点と情熱で、現代日本の文学に多大な貢献を果たしました。彼の作品は、五行歌を通じて広がる表現の豊かさと日本の詩文化の深化に寄与しています。彼の影響は、今なお多くの歌人や詩を志す人々に引き継がれています。

もう一度検索