草津宿

草津宿の歴史と魅力

滋賀県草津市に位置する草津宿は、かつて東海道五十三次の52番目の宿場であり、中山道とも合流する重要な交通の要所です。この地は今なお宿場町としての面影を残し、国の史跡にも指定されています。

草津宿までの道のりは、江戸方から草津川を越え、堤防沿いに進む形で続いています。その後、東横町と西横町を経て中山道との交差点に至り、ここから左に曲がり、一町目から六町目を進むと宮町へと繋がります。中山道からは、明治19年（1886年）に開通したトンネルを利用して旧草津川を抜け、追分へと向かうことができます。

宿場の概要

天保14年（1843年）の『東海道宿村大概帳』によると、草津宿には586軒の宿泊施設が存在し、その中には本陣が2軒、脇本陣が2軒、旅籠が72軒ありました。宿内の人口は2351人にも及び、多くの旅人がここを訪れていました。

歴史的背景

草津は古来より東西の交通路として知られ、室町時代には伊勢神宮への参詣客の中継地点として栄えました。応永29年（1422年）には、室町幕府の将軍である足利義持がこの地に大規模な宿泊施設である「草津御所」を築くことを決めました。また、永禄11年（1568年）頃には織田信長がこの地の重要性に注目し、交通政策の一環として草津の道路や瀬田橋の整備を進めました。関ヶ原の戦い後、徳川家康のもとで草津宿が設立され、荷物の輸送が効率的に行われるようになりました。これにより、草津宿は多くの旅人に利用される宿場町として発展を遂げました。

名所と見所

草津宿のシンボルの一つが「追分道標」です。これは、東海道と中山道の分岐点に立つ道標であり、宿場町としての歴史を感じることができます。また、草津宿にはかつて存在した本陣の一つ「田中七左衛門本陣」が現存しており、国の史跡に指定されています。この本陣は、修復を経て弘化3年（1846年）の姿に復原され、1996年から一般公開されています。

かつての運営者であった田中七左衛門の「大福帳」には、著名な歴史的人物の名前が数多く記されており、草津の歴史的重要性を物語っています。もう一つの本陣である「田中九蔵本陣」は現存していませんが、篤姫が宿泊した記録が残っています。

脇本陣も含め、旅籠は多く、天保年間には72軒が存在し、宿場内には常に賑わいがありました。「うばもち屋」や「立木神社」などの観光スポットもあり、近くには草津宿街道交流館など訪れる人々にとって興味深い場所が点在しています。

アクセス

草津宿へは公共交通機関を利用するのが便利で、JR草津駅から徒歩約10分の距離にあります。自動車の場合は、新名神高速道路草津田上ICまたは名神高速道路栗東ICからアクセスできます。草津宿は細やかな歴史と魅力を持つ場所であり、訪れる人々に過去の情景を伝えています。

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