荏開津典生

荏開津 典生（えがいつ ふみお）

荏開津典生は、1935年4月に生まれた日本の著名な農業経済学者です。東京大学で農学博士号を取得し、その後、長い間学術界で貢献してきました。特に東京大学名誉教授としての地位にあり、千葉経済大学では名誉教授の称号も持っています。出身は岐阜県です。

略歴

荏開津は1959年に東京大学農学部の農業経済学科を卒業し、1963年には同大学院の社会科学研究科博士課程を中退しました。その後、経済企画庁での勤務を経て、東京大学農学部の教授に就任しました。1970年には「農産物および工業製品の需要供給と価格」に関する論文で農学博士の学位を取得しました。1996年からは千葉経済大学の経済学部で教授として勤務し、経済学部長や第二代学長も務めています。

著書

荏開津は数多くの著書を執筆しており、特に農業経済や食料問題に関する論考が多いです。彼の単著には、次のような作品があります：

• - 『農業統計学』(1985年, 明文書房)
• - 『日本農業の経済分析：習慣形成・技術進歩・インフレーション』(1985年, 大明堂)
• - 『農政の論理をただす』(1987年, 農林統計協会)
• - 『日本人と牛肉』(1988年, 岩波ブックレット)
• - 『「飢餓」と「飽食」：食料問題の十二章』(1994年, 講談社選書メチエ)
• - 『農業経済学』(1997年初版, 岩波書店)

また、彼の著作にはマクロ経済学やミクロ経済学に関する書籍も含まれており、経済学の入門書としても評価されています。特に『明快ミクロ経済学』と『明快マクロ経済学』は、それぞれ2000年と2002年に発行され、多くの学生に利用されています。

共著と編著

荏開津はまた、共著や編著にも力を入れており、以下のような作品があります：

• - 共著:

- 『こころ豊かなれ日本農業新論：21世紀の食と農と環境を考える』(1995年)
- 『フードシステムの経済学』(複数版、1998年～2013年)

• - 編著:

- 『インフレーションと日本農業』(1978年, 東京大学出版会)
- 『市民農園：クラインガルテンの提唱』(1987年, 家の光協会)

加えて、翻訳書も手掛けており、EUの共通農業政策に関する書籍の翻訳や監訳にも関与しています。特に、『ECの共通農業政策』や『EU共通農業政策の歴史と展望』は重要な研究資料となっています。

評価と影響

荏開津の研究は、農業経済学や食料政策の分野で広く認識されており、彼の洞察は多くの政策形成に影響を与えてきました。大学での教育や研究活動を通じて、後進の指導にも努める一方で、国民の食と農に関する理解を深めるための活動も行っています。彼の貢献は日本の農業経済の発展に多大な影響を与えており、今後もその活動が注目されることでしょう。

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