荒井源吉

荒井源吉：武蔵野市の礎を築いた政治家

荒井源吉（あらい げんきち）は、1904年7月19日に生まれ、1983年9月18日に没した、昭和期の政治家です。彼は、武蔵野町長、そして市制施行後の初代武蔵野市長として、戦後復興から高度経済成長期にかけての武蔵野市を牽引しました。

武蔵野町長から初代市長へ

荒井源吉は、武蔵野町職員を経て、1947年4月に無所属（保守系）で町長選挙に立候補し初当選しました。その後、武蔵野町が市制を施行した同年11月には、初代武蔵野市長に就任しました。彼は、1963年4月までの15年半にわたり、4期にわたって市長を務め、その手腕を発揮しました。

主な業績

荒井市長の時代には、以下のような多くの重要な事業が実施されました。

教育の充実: 1948年の小学校給食の開始をはじめ、市立小・中学校11校の建設を推進しました。これらの学校建設には、市民からの借金（愛市公債）を活用したことも特筆されます。
都市基盤の整備: 上水道・下水道計画の決定・着工、三鷹駅北口広場、中央大通り、中町新道、成蹊通りなどの都市計画道路の整備に着手・完成させました。また、1960年には、国電中央線高架複々線化計画に対応するため、吉祥寺駅周辺都市計画調査特別委員会を設置しました。
都市計画: 吉祥寺駅周辺の都市計画案作成を東京大学高山英華研究室へ委託し、地元市案を発表（1962年）しました。この高山案は反対が強く実現には至りませんでしたが、バスの進入路であった駅前通り（現・サンロード）をそのまま残し、別途大通りを設けるなど、後の都市計画に影響を与えました。
その他の重要な施策: 三鷹市との合併問題に関する協議（1953年～1958年頃）、音体跡地の土地賃借権買収（1961年）、三鷹駅北口の八丁特飲街（事実上の売春街）の撤去運動、武蔵野三鷹地区保健衛生組合の設立、中島飛行機武蔵製作所跡への米軍宿舎設置や武蔵野文化都市建設問題への対応、武蔵境駅南口の開設（1961年）など、多岐にわたる問題に取り組みました。

その後の評価

荒井源吉は、戦後の混乱期から高度経済成長期にかけて、武蔵野市の発展に大きく貢献しました。その功績を称え、1980年5月には武蔵野市名誉市民に推挙されました。彼のリーダーシップと先見の明は、今日の武蔵野市の礎となっています。


荒井源吉は、その生涯を通じて武蔵野市の発展に尽力し、市民から深く敬愛されました。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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