荒木又右衛門 (1925年の日活映画)

映画『荒木又右衛門』について

1925年（大正14年）11月1日に公開された『荒木又右衛門』は、日活大将軍が製作した日本のサイレント映画です。監督と脚本は池田富保が務め、主演は尾上松之助と河部五郎が担当しました。この映画は、尾上松之助の主演1000本記念として製作された大作であり、新旧のオールスターキャストが集結しました。

作品の特徴

この映画は、従来の講談調の物語とは異なり、人間としての荒木又右衛門の姿を深く掘り下げて描いています。その革新的な試みは、日活創立以来の大ヒットを記録し、以降、池田富保監督による超大作が定期的に製作されるきっかけとなりました。

宣伝にも力が入れられ、金粉入りの巨大なポスターが作成されました。また、興行者からは、月極の配給料金に加えて、最低1000円の特別料金（プレミアム）が徴収されるなど、当時としては異例の扱いを受け、全国一斉に封切られました。

キャストとスタッフ

尾上松之助は、自身の後継者として河部五郎を起用しましたが、松之助自身は翌年5月、『侠骨三日月』の撮影中に倒れ、9月に亡くなりました。主要キャストは以下の通りです。

荒木又右衛門: 尾上松之助
河合又五郎: 河部五郎
竹内鬼玄丹: 新妻四郎
渡辺数馬: 市川市丸
桜井甚左衛門: 大谷鬼若

その他、多くの俳優が参加し、豪華なキャスト陣となりました。また、スタッフは以下の通りです。

監督：池田富保
原作：池田富保
脚本：池田富保
撮影：浜田行雄、松村清太郎
助監督：高橋寿康、波多野安正、中山呑海、大池源太郎、岡木喜一郎
総指揮: 中村鶴三
委員長: 池永浩久
製作進行係: 小林弥六

フィルムの発見と復元

長らくフィルムは現存しないとされていましたが、2008年に4分30秒の短縮版が発見されました。大阪芸術大学の太田米男教授がIMAGICAウェストの協力を得て、このフィルムを復元しました。

関連情報

この映画に関する詳細は、以下の外部リンクで確認できます。

【1925年】映画（大正14年）▷「荒木又右衛門」（尾上松之助・主演、日活） - ジャパンアーカイブズ
荒木又右衛門 - 日活
荒木又右衛門 - 日本映画データベース
Araki Mataemon - IMDb（英語）
荒木又右衛門 : 映画小説（池田富保著、日活画報社、大正14年11月15日）- 国立国会図書館デジタルコレクション

まとめ

『荒木又右衛門』は、尾上松之助の記念すべき作品であり、当時の映画界に大きな足跡を残しました。フィルムの一部が復元されたことで、その歴史的な価値を再認識することができます。

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