荒津

荒津（あらつ）について

荒津は、福岡県福岡市中央区に位置する町名で、現在は荒津一丁目および二丁目として知られています。この地域は、港湾施設が集まる埠頭エリアで「荒津地区」と呼ばれています。1970年に完成したこの埠頭は、105基の貯油施設が存在し、石油中継基地として重要な役割を担っています。ここでは石油や重油などが取り扱われ、九州の都市圏を含む広い地域に石油製品が供給されています。また、南西部には下水処理場もあり、面積は約38ヘクタールにわたります。2022年3月末時点での荒津の人口は75人で、郵便番号は810-0076です。

地理的特徴

荒津は福岡市中央区の天神から北西に約2.5キロメートルの距離にあり、博多湾に面している地域です。全域が1938年から1970年までの間に海面の埋立により造成された土地であり、周囲は博多湾に囲まれています。南東では「港」と隣接し、南西側には「西公園」が位置しています。そして、東側には博多漁港の入り口を通じて「那の津」へとつながっており、西側も博多湾を介して福浜に接しています。

都市計画とその背景

荒津は「福岡市都市計画マスタープラン」において「港湾機能ゾーン」として位置づけられており、用途地域においては、北側が工業専用地域、南側が工業地域とされています。さらに、下水処理場がある南西部を除く地区は臨港地区として指定されており、全域が保安港区に分類されています。

この地域の名称は、1957年から1965年にかけて施行された「荒津町」に由来し、荒戸町に存在した「荒津山」に名を由来しています。

歴史的経緯

1899年に博多港が対外貿易港として指定されて以来、港の拡張は進められてきました。しかし、第二次世界大戦の影響で工事は中断。その後、1951年から埋立が再開し、1960年には「第一次博多港港湾整備5ヵ年計画」が策定されました。1964年には石油関連の埋立工事が進められ、この産業の拠点が形成されました。

人口と交通

荒津の人口は長年にわたり小規模で、現在は75人となっています。鉄道は通っておらず、最寄駅は地下鉄空港線の大濠公園駅で、約1.1～2.1キロメートルの距離に位置しています。交通手段としては、バスが運行されており、西日本鉄道を利用できます。また、都市高速道路である福岡高速環状線も通っており、西公園出入口が利用可能です。

施設

荒津には様々な港湾施設が存在し、桟橋や油槽所が整備されています。地域の多くは港湾施設や下水処理場に占められていますが、町内の南端には共同住宅も存在しています。教育機関はないものの、周辺の教育区分として福岡市立舞鶴小中学校に属しています。

結論

荒津は福岡市における重要な港湾地域であり、地域経済の鍵を握る場所となっています。近年も都市計画の進展があり、地域内の利用が拡大しています。

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