菅野順吉

菅野 順吉（すがの じゅんきち）について

菅野順吉（1931年4月22日 - 2013年5月9日）は、福島県出身の著名な日本の映画編集技師です。彼は映画界への強い憧れを持って育ちましたが、映画館でのキャリアを始めるのが簡単ではありませんでした。そのため、最初のキャリアは小学校の助教諭としてのものでしたが、1955年に兄たちの支援を受けて東京に移り、大映東京撮影所で編集部に配属されました。

編集助手としての経験を積む中で、菅野は日本の映画界で多くの技術を身につけました。大映を辞した後、書籍の輸入販売会社で働きつつ、尊敬する編集技師の辻井正則のともに仕事をする機会を得ました。辻井とは何度も共に仕事をし、映画の編集技術を深く学ぶことができました。

1966年、菅野は編集技師としてフリーランスの道を選び、1970年には特に有名な『仮面ライダー』の編集に参加します。これを契機に、彼のキャリアは軌道に乗り、2500本以上のテレビドラマを手がけることになります。

編集スタイルと技術

菅野の編集スタイルは、監督の個性を尊重し、自分流の方法でフィルムを繋げるというものでした。一般的な粗編集作業を避け、各作品に応じたテクニックを用いる点が特長です。その結果として、ある監督からは「映像の詐欺師」と称されることもありました。菅野は『仮面ライダー』において、アクションの瞬間を効果的に捉え、速度感を与える手法を確立しました。

また、彼は先人たちの技術を革新し、個々の作品に応じた形で応用することに優れた才能を持っていました。第1話の制作に際して、フィルムの尺は従来の時間を超え、菅野はアクションの間を抜いて編集するという斬新なアプローチを採用しました。

主な作品

菅野は数多くの作品に携わっており、特に『仮面ライダー』シリーズでの貢献が有名です。また、松原映画に参加したことや、特撮作品やドラマでも幅広く活躍しました。彼の編集作品には、『仮面ライダーBLACK』や『宇宙刑事ギャバン』、さらには『秘密戦隊ゴレンジャー』など、数多くのヒット作が含まれています。

菅野は、日本映画編集協会の元会員であり、映画人九条の会にも名を連ねていました。82歳でこの世を去るまで、その作品は多くの人々に感動を与え続けました。

彼の影響を受けた後輩や同業者も多く、菅野が立ち上げたフリー編集技師グループ「シネ・アルファ」は、彼の遺志を受け継ぎ今でも活動を続けています。菅野順吉の足跡は、日本映画やドラマの編集技術において一つの金字塔を打ち立てるものであり、後世への大きな財産となっています。

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