菅隆俊

菅隆俊（かん たかとし）

菅隆俊は、1886年10月9日に生まれ、1961年7月16日に没した日本の自動車技術者です。トヨタ自動車工業（現・トヨタ自動車）において取締役設計部長を務めた後、豊田工機（現・ジェイテクト）の社長として活躍しました。その功績が認められ、紫綬褒章を受章しています。

生涯

菅隆俊は、香川県三豊郡財田村（現在の三豊市）出身です。1914年に東京高等工業学校（現在の東京科学大学）機械科を卒業後、1916年に住友私立職工養成所（後の住友工業高等学校）で仕上・旋工・鍛工場主任としてキャリアをスタートさせました。

1920年、菅隆俊は豊田佐吉が開発した豊田式織機に携わることになります。そして1933年、豊田喜一郎に招聘され、豊田自動織機製作所（トヨタ自動車工業の前身）に入社しました。1934年には、自動車量産化を目指しアメリカ合衆国へ調査に赴き、帰国後、挙母工場（現在のトヨタ自動車本社工場）の設計責任者として、岩岡次郎、豊田英二、齋藤尚一らとともに建設構想に尽力しました。

1937年にトヨタ自動車工業が設立されると、菅隆俊は取締役設計部長に就任し、自動車製造の中核を担いました。1941年には、工機工場が豊田工機として分離独立したことに伴い、同社の常務取締役に就任。さらに1945年からは社長として経営を指揮しました。

1957年、長年にわたる工作機械の改良研究などが評価され、紫綬褒章を受章しました。1961年に逝去後、その功績を称えられ、従五位・勲四等瑞宝章が贈られました。

著書

菅隆俊は、技術者としてだけでなく、著述家としても活動しました。以下に主な著書を挙げます。

『自動車工業用工作機械に就ての一考察』自動車技術協会 1942年
『今日及び将来の工作機械 : ユニット構成機械』機械製作資料社 1944年
* 『トヨタ自動車工業株式会社挙母工場の建設』1959年

これらの著書は、当時の自動車技術や工作機械に関する貴重な資料であり、彼の技術者としての深い知識と洞察を伝えています。

菅隆俊は、日本の自動車産業の発展に大きく貢献した人物として、その名が刻まれています。

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