菊地和博

菊地 和博（きくち かずひろ）について

菊地和博氏は、日本の著名な民俗学者であり、2015年から東北文教大学で特任教授を務めている。彼の専門は民俗学と民俗芸能論であり、特に地域文化や信仰の研究に取り組んできた。1949年に山形県の東根市に生まれた彼は、法政大学文学部哲学科を卒業後、1973年に山形県立高等学校の教諭としてのキャリアをスタートさせた。

から2000年まで教壇に立つ傍ら、教職を通じて地域に根ざした文化や芸能についての理解を深めた。2000年以降は、東北芸術工科大学の東北文化研究センターで助教授として、専門的な研究を続けることとなる。2010年には、東北文教大学短期大学部の教授に就任し、さらなる研究と教育に従事する。

菊地氏が博士（文学）の学位を取得したのは2008年で、そのテーマは「シシ踊り鎮魂供養の研究」であった。この研究は、東北地方の伝統的な踊りが持つ文化的・社会的意義を深く掘り下げたもので、多くの学術的な評価を得ている。

著書と研究業績

菊地氏の著作は彼の研究対象である東北地方の民俗文化に強く根ざしている。2002年に発表した『庶民信仰と伝承芸能 東北にみる民俗文化』では、東北地方特有の信仰や祭り、伝承芸能について詳述している。この本は、地域に密着した文化の理解を促進し、読者に民俗学への興味をもたらした。

続いて、2007年に出版した『手漉き和紙の里やまがた』や、2009年の『やまがた民俗文化伝承誌』など、彼の著作群は地域の伝承や文化を多角的に探求しており、東北の文化を紹介する貴重な資料となっている。2012年の『シシ踊り一鎮魂供養の民俗』においては、特にシシ踊りに焦点を当て、この伝統芸能が持つ深い意義や歴史的背景を探求している。

また、2013年の『やまがたと最上川文化』、2015年の『民俗行事と庶民信仰』など、近年発表された著書も多数あり、これらは彼の研究の集大成として位置づけられる。2021年には『東北の民俗歴史論』の執筆にも取り組んでおり、今後の出版も期待されている。

彼は単著だけでなく、共著や編著としても多くの書籍を手掛けており、特に『東北学への招待』や『講座 東北の歴史 第五巻 信仰と芸能』など、さまざまな視点から東北の文化を掘り下げた作品が存在する。

論文や外部活動

菊地氏は論文執筆にも励んでおり、その成果は学術誌や地域の刊行物に広く発表されている。また、地域の文化を保存・発展させるために、伝承文化実行委員会などに関与しており、地域住民との協力を通じ、文化の継承に尽力している。

彼の活動は、教育現場のみならず、地域の文化活動にも影響を与えており、若い世代への文化の理解と伝承を促進する役割を果たしている。彼が手掛けた『再発見 ひがしねの伝承文化ガイドブック』は、地域文化の再評価を目指した重要なプロジェクトの一環となっている。

菊地和博氏の研究は、東北地域の文化や民俗に対する理解を深めるだけでなく、その魅力を広く発信する役割も果たしている。彼の学問は今後もますます注目され、多くの人々に影響を与えることでしょう。

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