菊山嘉男

菊山嘉男（きくやま よしお）

生涯

菊山嘉男は、1889年（明治22年）3月5日に三重県で生まれ、1977年（昭和52年）2月23日にその生涯を閉じました。彼は、日本の内務・警察官僚として、また官選の県知事として、激動の時代を駆け抜けた人物です。

若年期と官僚への道

菊山嘉男は、菊山末造の長男として誕生しました。旧制第七高等学校造士館を卒業後、1913年（大正2年）に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省しました。この頃から、彼の官僚としてのキャリアがスタートします。

地方官僚としての活躍

内務省に入省後、菊山は千葉県属を皮切りに、大分県警察部長、朝鮮総督府事務官、同専売局長などを歴任しました。これらの職務を通じて、地方行政の実務経験を積みました。

県知事としての手腕

1933年（昭和8年）8月、菊山は山口県知事に就任します。県会との協調を重視し、県政運営に尽力しました。特に、農山漁村経済更生計画を推進し、地域経済の発展に貢献しました。1936年（昭和11年）6月には、宮城県知事に転任。1939年（昭和14年）4月に知事を退任し、官界を去りました。

戦後の活動

退官後、菊山は1939年に京都市助役、1942年には繊維製品統制協議会理事長に就任。戦後は、中央行政監察委員会事務局長、地方財政委員などの要職を歴任しました。1957年（昭和32年）には、公明選挙連盟の理事となり、公正な選挙の実現にも尽力しました。

著作

菊山嘉男は、『伊達政宗の南蛮遣使と使節支倉六右衛門』（1938年）を著しており、歴史研究にも関心を示していました。

まとめ

菊山嘉男は、内務官僚として地方行政に携わり、県知事としても手腕を発揮した人物です。戦後も、行政や選挙の分野で重要な役割を果たしました。彼の業績は、日本の近代史において重要な足跡を残しています。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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