菊水酒造 (新潟県)

菊水酒造株式会社の概要と歴史

菊水酒造株式会社（きくすいしゅぞう）は、新潟県新発田市に本社を置く日本酒の製造および販売を行う酒蔵です。1881年に創業して以来、長い歴史を持つこの企業は、特に1972年に日本で初めてアルミ缶入りの生原酒を商品化したことにより、日本酒の新たな楽しみ方を提案しました。この商品名は「ふなぐち菊水一番しぼり」で、200mlというコンパクトなサイズでも多くの日本酒愛好者の心を掴みました。

沿革の詳細

菊水酒造の歴史は1881年に始まり、1896年には新潟県知事から清酒製造の免許を得るなど、着実に成長していきました。また、1910年には「菊水」という商標を登録し、1956年には株式会社化を果たしました。1960年には新工場を中倉に建設し、1967年には羽越水害による被害を受けたものの、その後1969年には島潟に移転再建し、さらなる酒造りに力を入れるようになりました。

2002年には有機JAS認定工場を取得し、2004年には「菊水日本酒文化研究所」を設立。ここでは日本酒の文化や楽しみ方を研究開発し、良質なモノづくりと共に新しい体験を提供する「コト」づくりに注力しています。この研究所は2018年から一般公開が始まり、日本酒の魅力を伝える場所としても活用されています。

最近の取り組み

近年の菊水酒造は、国内だけでなく海外市場への進出にも積極的です。2010年には米国現地法人を設立し、本場アメリカに自社の日本酒を広めています。また、「十六穀でつくった麹あま酒」や乳酸菌発酵の酒粕など、多様な製品を展開することで持続可能な酒蔵を目指しています。これにより、新しい試みとしての食品生産にも力を入れているのです。

代表銘柄の紹介

菊水酒造の主な商品には、「ふなぐち菊水一番しぼり」をはじめとする多彩な銘柄が存在します。中でも「ふなぐち菊水一番しぼりスパークリング」や「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」など、独自の進化を遂げた商品も多く、各地域の特性を生かした日本酒が揃っています。他にも「菊水の辛口」や「無冠帝」といった人気の銘柄があり、広く愛されています。特に日本酒は、季節や食事に合わせたスタイルで楽しむことができ、好みやシーンに応じてセレクトできるのが特徴です。

受賞歴と認証

菊水酒造はその品質の高さから多くの賞を受賞しています。例えば、2019年には「蔵光」がワイングラスでおいしい日本酒アワードで最高金賞を受賞するなど、国内外での評価も高まっています。加えて、2021年に全国燗酒コンテストで「菊水の辛口」が最高金賞を獲得するなど、日本酒愛好者からの支持を集めています。

環境への配慮

菊水酒造は1998年に世界自然保護基金（WWF）に加入し、持続可能な酒造りに取り組んでいます。この姿勢は、地域社会や環境との調和を大切にしながら酒造りを続ける一環として評価されています。さまざまな形で日本酒の文化を未来へ残していこうとする菊水酒造のダイナミックな活動は、今後も多くの人たちに刺激を与え続けることでしょう。

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