菊池宣秀

菊池 宣秀とは

日本の映像作家、そして映画監督として知られる菊池宣秀（きくち のぶひで）氏は、主にホラー作品、特にリアリティを追求する心霊ドキュメンタリーの分野で活躍しています。そのキャリアを通じて、数々の話題作に関与し、このジャンルにおける重要な存在となっています。

「ほんとにあった！呪いのビデオ」シリーズへの多大な貢献

菊池氏の活動の中心にあるのは、長年にわたり多くのファンに支持されている人気シリーズ「ほんとにあった！呪いのビデオ」、通称「ほん呪」です。氏はこのシリーズに初期から深く関わり、様々な役割を担ってきました。

初めてシリーズに登場したのは、2007年から2008年にかけてリリースされた第24巻から第30巻、そして第32巻、第33巻です。ここでは、投稿された心霊映像の真偽を確かめるため、取材現場を訪れるリポーターや関係者といった形で出演しています。その後も、2011年の第44巻から第51巻、そして2012年から2013年の第54巻、第55巻にも出演者として参加しています。

しかし、菊池氏の貢献は画面に登場するだけにとどまりません。作品制作の裏方としても、編集や構成、演出といった根幹に関わる作業を数多く手掛けています。

制作協力としては、2012年から2013年にかけての第48巻から第50巻、第54巻、そして2018年から2019年の第76巻から第80巻、第82巻から第89巻で、編集や演出協力を務めています。これらの巻で、映像の構成や編集の方向性など、作品の質を高める作業に携わりました。

さらに重要な役割として、2014年から2016年にかけての第56巻から第70巻では、シリーズ全体の構成と演出を担当しました。この期間は、「ほん呪」シリーズにとって一つの転換期とも言える時期であり、菊池氏がシリーズの方向性を定め、恐怖を構築する上で中心的な役割を果たしたことを示しています。また、2020年には「ほんとにあった！呪いのビデオ 特恐編」でも演出協力を手掛けています。

監督としても、「ほん呪」シリーズに貢献しています。前述の構成・演出を務めた第56巻から第70巻は、実質的に監督としての役割も兼ねていました。そして、2024年に公開された「劇場版ほんとにあった！呪いのビデオ109」では、演出・構成を担当し、シリーズの最新展開においてもその手腕を発揮しています。

出演者として始まり、編集、構成・演出、そして監督へと、菊池氏の「ほん呪」シリーズにおける役割は多岐にわたり、シリーズの長期にわたる継続と発展に不可欠な存在であることがわかります。

その他のホラー・心霊作品での活動

菊池宣秀氏は、「ほん呪」シリーズ以外にも、様々なホラー・心霊作品に関わっています。

監督としては、2012年の「呪いの事件簿」や「怪奇！アンビリーバブル 衝撃！恐怖の心霊地獄巡り」を手掛けています。「怪奇！アンビリーバブル」では出演も兼ねました。

2013年には、「呪いの心霊映像」シリーズで構成・演出を担当し、第7巻、第8巻では監督を務めています。また、編集としても同シリーズに関与しました。

「ほんとに呪われた死ノ動画」シリーズでも、2019年に第8巻から第11巻、そして第12巻から第15巻の編集を担当。第8巻から第11巻では構成・演出も務めています。

近年では、心霊ドキュメンタリーの制作現場自体を題材にした異色の作品にも関わっています。2020年、2021年の「心霊マスターテープ」シリーズや、2023年、2024年の「心霊グラインドハウス」シリーズでは、作品世界に出演者として登場しています。特に「心霊グラインドハウス」シリーズでは、2023年の「～ねむりめ～」で助監督と脚本協力、「～ねむりめ～番外編」で助監督と脚本、2024年の「～ねむりめ２～」で録音と、制作の様々な側面を支えています。

他にも、2011年の「呪いのサイト２」で助監督を務めたり、2018年の「心霊玉手匣constellation」に協力したりするなど、その活動範囲は広範です。

映像作家としての特徴と今後

菊池宣秀氏のキャリアを振り返ると、心霊ドキュメンタリーという特定のジャンルにおいて、企画、調査、撮影、編集、構成、演出、そして出演と、制作におけるあらゆる工程に関わることのできる稀有な才能を持つクリエイターであることがわかります。

特に、長年培ってきた「ほん呪」シリーズでの経験は、投稿映像という素材を最大限に活かし、どのように恐怖を構築し、視聴者を没入させるかを知り尽くしていることを示唆しています。現実とフィクションの狭間を行き来するこのジャンルにおいて、その多角的な視点と技術は大きな強みと言えるでしょう。

日本のホラー映像界、特に心霊ドキュメンタリーの分野において、菊池氏は今後も欠かせない存在であり続けると考えられます。その豊富な経験と探究心から、次にどのような新たな恐怖体験を生み出すのか、今後の活動にも注目が集まります。

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