菊池駅

菊池駅の歴史と現状

菊池駅（きくちえき）は、熊本県菊池市に位置していた熊本電気鉄道の駅であり、1986年に廃止となった歴史的な地点です。菊池線の運行終了に伴い、長い年代にわたる駅の役割を終えましたが、今もその跡地は地域の交通の重要な機能を持ち続けています。

開業から廃止までの歴史

菊池駅は1913年3月15日に開業しました。当初の名称は隈府駅であり、これは菊池軌道としてのものでした。その後、1935年に省営自動車山鹿線が開通し、バス交通も絡む交通の拠点となっていきます。1958年には駅名を菊池駅に改称し、長年にわたる鉄道サービスを提供してきましたが、1977年には貨物の取り扱いを停止し、1986年2月16日に正式に廃駅となります。

駅構造

廃駅に至るまでの菊池駅は、1面2線の島式ホームを持つ地上駅として機能していました。駅舎の先端にはバスターミナルである「菊池プラザ」があり、今もその構造を残しています。駅廃止時には、かつての貨物ホームや複数の側線は存在していましたが、駅の機能の縮小に伴い、そのほとんどは利用されなくなりました。

廃止後の利用状況

驚くべきことに、電車が運行されなくなった後も、旧 菊池駅の駅舎はさまざまな機能を持ち続けました。バスの待合施設や発着案内、定期券の販売窓口、さらにはレストランや旅行センターなど、多岐にわたる店舗が入居していました。しかし、時が経つにつれてこれらの窓口は閉鎖され、多くの店舗も姿を消していきました。2021年には、駅舎内に残っているのは1階の花屋と2階の学習塾のみとなりました。

一時期は、電鉄タクシーの待機所として利用されていた部分もありましたが、系列から離脱した後はすぐに撤退しました。また、駅舎の裏側には以前、幼稚園が存在していましたが、それも土地を取得し新しい施設へと移転して有効利用されています。

バスターミナル「菊池プラザ」

菊池駅舎が提供しているバスターミナルの役割は、地域内で大変重要です。「菊池プラザ」からは、菊池市内を走行する様々な路線バスが発着しています。主に熊本電鉄バスが運行のメインを担っており、他の産交バスの路線は「菊池産交」バス停から発着します。以前は案内窓口や乗車券の販売も行われていましたが、現在は閉鎖され、周辺のLPガス販売会社の事務所が一部機能を引き継いでいます。

なお、かつての JR九州バス山鹿線の輸送も、産交バスが引き継いでおり、地域の交通網は今もなお受け継がれています。

隣の駅

菊池駅の隣に位置していた駅は、深川駅（廃止区間）です。菊池駅の共通の歴史は、熊本電気鉄道の歴史とも深く結びついています。

様々な変遷を経た菊池駅は、地域の人々の生活に密接に関わってきた場所であり、交通の要所としての役割を果たす一方、記憶の中では往時の賑わいを残しています。

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