華かがり

華かがり（Hanakagari）

華かがり（はなかがり）は、岐阜県で生まれたイチゴの品種です。その名の由来は、岐阜のシンボルである金華山と、夏の風物詩である長良川鵜飼の篝火にちなんでいます。

特徴

華かがりは、平均果重が20グラムを超える大粒のイチゴです。果実は美しい円錐形で、果皮は鮮やかな赤色に染まり、光沢があります。また、大粒でありながら、果芯に空洞ができにくいのも特徴です。

開発の背景

岐阜県は、古くからイチゴ栽培が盛んな地域です。県農業技術センターでは、県オリジナル品種の育成に力を入れており、これまでにも「濃姫」や「美濃娘」といった品種を開発してきました。

しかし、「濃姫」は収量に変動が出やすく、「美濃娘」は栽培に手間がかかるという課題がありました。そこで、これらの課題を克服し、より安定した生産と高品質な果実を目指して開発されたのが「華かがり」です。

育種の目標は以下の3点でした。

花芽分化が安定しており、連続出蕾性に優れること。
作業を省力化できて、栽培コストを低減できること。
* 高品質で多収であり、かつ、収穫期が濃姫、美濃娘と同等であること。

開発の経緯

華かがりは、「美濃娘」を母親に、岐阜県農業技術センターで育成された系統「9-2-3」を父親に交配して生まれました。父親系統である「9-2-3」は大果で多収という特徴がありました。

2007年に交配を行い、選抜を重ねた結果、有望な系統「19-2-1」を選抜しました。その後、本巣市での試験栽培を経て、2014年に実用品種として育成を完了。2015年に品種登録を出願し、2017年に正式に品種登録されました。

今後の展望

華かがりは、岐阜県におけるイチゴ栽培の新たな担い手として期待されています。安定した収量と高品質な果実、そして省力化された栽培方法により、生産者の負担を軽減し、より多くの消費者に美味しいイチゴを届けることが期待されます。

2017年12月頃から出荷が開始され、岐阜県を代表するイチゴとして、その名が広く知られるようになるでしょう。

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