萌茂尻島

萌茂尻島について

萌茂尻島（もえもしりとう）は、歯舞群島の一つであり、ロシア語ではストロジェヴォイ島と呼ばれています。この島の名前は、アイヌ語の「モイ・モ・シリ」（波の静かな島）に由来しており、古くからの文献にもさまざまな表記が見られます。たとえば、「モヨモシリ」や「モロモシリ」、「モイモシリ」など、多くの名称が歴史的な地図や記録に登場します。

地理的位置

萌茂尻島は、納沙布岬の東約6キロメートルの位置にあります。周囲にはオドケ島と貝殻島があり、それぞれ西北西1.5キロメートルと3キロメートルの距離に存在します。また、北方には水晶島があり、そこから南端の舟見岬までの距離は約3.5キロメートルです。これらの島々と萌茂尻島は、手つかずの自然が広がる美しい環境を形成しています。

萌茂尻島は日本の行政区画では北海道根室市に属し、一方でロシアの行政区画においてはサハリン州南クリル管区に該当します。日本から見ると、歯舞群島は本土の一部を構成していると捉えられていますが、千島列島には含まれていません。歴史的には、第二次世界大戦の終結時にソビエト連邦が千島列島全域を占領したことで、萌茂尻島もその後、彼らの手に渡ることとなりました。

歴史的出来事

1933年3月、萌茂尻島で発生した雪崩により、住民2人が命を落とすという悲しい出来事がありました。このような自然災害が島の歴史において重要な出来事となっています。

座礁船

また、萌茂尻島の近くには朽ちた座礁船が見られます。この船は「キンプクマル」として地元の一部で知られており、根室海上保安部の記録によれば、1969年には「第一金福丸」という日本の運搬船がオドケ島の北西約1キロの地点で座礁したとされています。しかし、その船が実際に「キンプクマル」であるかどうかは疑問が残ります。ソ連が当時主張していた領海内での出来事であったため、詳細に関する記録が乏しく、真偽は不明のままとなっています。

また、この座礁船は「潜水艦」との憶測も一部で流れていますが、確固たる証拠は存在せず、様々な憶測を呼んでいます。産経新聞の報道には「朽ちたロシア船」との記述が見られますが、詳細な裏取りはされていないため、情報の信頼性については疑問が残る部分も多いです。

このように、萌茂尻島は自然の美しさとともに、歴史的な背景や謎めいた出来事を持つ地域です。未来の研究が進む中で、さらに多くの事実が明らかになることが期待されます。

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