萩台車両基地

千葉県千葉市稲毛区に位置する萩台車両基地は、千葉都市モノレールの運営にとって中核となる施設です。単なる車両の保管場所にとどまらず、千葉都市モノレールの本社機能や運行を統括する中央指令所、さらに電力供給を担う萩台変電所も敷地内に集約されています。

この基地は、モノレール2号線の動物公園駅からおよそ200メートル離れた場所に設けられた出入庫線によって本線と接続されています。広大な敷地は面積44,800平方メートルを誇り、そのうち14,200平方メートルは県有地などが利用されています。将来的な車両増備にも柔軟に対応できるよう計画されており、最大で88両もの車両を収容できる規模が確保されています。1988年の開業当初は、2両編成8本、合計16両の体制でしたが、今後配置車両数が増加することを見込み、留置線を拡張するための準備が進められています。

萩台車両基地の最も特徴的な構造は、構内の線路が上下二層、すなわち二階建てになっている点です。これにより限られた敷地を有効活用し、車両の留置や検査、整備作業を効率的に行うことを可能にしています。

二層構造の上層（上線）には、主に北側に検査修繕庫が配置されており、ここには4本の検査線（列車検査線1、全般・重要部検査線、臨時検査線、月間検査線）が設けられています。南側には最大4線まで設置可能な留置線があり、現在は3線が使用されています。下層（下線）も同様に北側に検査修繕庫があり、こちらには1本の列車検査線2が設置されています。下線の南側には、車両洗浄装置を備えた洗浄線が1線と、最大4線設置可能な留置線があり、現在は2線が稼働しています。

検査修繕庫は地上5階建ての複雑な構造を持ち、各階に専門的な機能が集約されています。1階には車両の搬入場や車体検査場、下線の列車検査場、事務室、倉庫、機械室などがあります。中2階では下線の列車検査場の一部と屋根上機器の検査が行われます。2階には上線の列車検査場、全般・重要部検査場、台車検査場、車体修理場が設けられています。3階は上線の列車検査場、車体検査場、屋根上機器修理場です。中4階では上線の列車検査場と屋根上機器検査が行われます。そして4階と5階は台車修理場として機能しています。重要な検査である重要部検査や全般検査については、車両のアフターサービスを専門とする協力会社、三菱重工交通・建設エンジニアリングに委託し、質の高いメンテナンス体制を構築しています。

基地に備え付けられている車両洗浄装置は、懸垂式モノレールという特性を活かし、車体側面だけでなく、通常は地上から見えにくい車体下部の洗浄も行います。これにより、常に清潔な状態を保つことが可能です。洗浄は1日に2本の車両に対して実施されています。

構内の軌道桁には荷重制限が設けられており、安全運行のため、1編成あたり乗務員を含めて16人（おおよそ1トン）以下の荷重に制限されています。

普段、萩台車両基地は関係者以外立ち入りができませんが、毎年開催される「ちばモノレール祭り」の際には一般に公開され、多くの鉄道ファンや地域住民で賑わいます。祭り以外の日でも、基地の近くにある遊歩道からは、引退した1000形1001号車が静態保存されている様子などを観察することができます。また、この基地はロケーションサービスも提供しており、テレビドラマなどの撮影現場としても時折利用されています。

現在、萩台車両基地には1000形電車が8編成16両、そして0形電車が8編成16両、合計32両の車両が配置されています。

基地へのアクセスは、千葉都市モノレール2号線の動物公園駅から徒歩約3分と非常に便利です。

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