萩本光威

萩本 光威（はぎもと みつたけ）は、1959年2月10日に神戸で生まれた、日本のラグビーにおける重要な人物です。選手として、また指導者として多大な功績を残し、現在は協会運営の中心で日本のラグビー界を支えています。

選手としての歩み

小学校4年生でラグビーを始めた萩本氏は、兵庫県の報徳学園高校を経て、ラグビー強豪校として知られる同志社大学に進学しました。大学ではスクラムハーフとして才能を開花させ、4年時にはチームの司令塔として全国大学選手権のタイトル獲得に貢献。大学ラグビー界での実績を積みました。

1982年、神戸製鋼に入社し、同社ラグビー部に入団。当時の神戸製鋼は日本選手権で前人未踏の7連覇を達成するなど、日本のラグビー界を牽引する存在でしたが、萩本氏はその黄金期をスクラムハーフとして支えた中心選手のひとりでした。正確かつ素早いパスと、状況判断に優れたゲームメイクでチームの攻撃を組み立て、日本一への貢献度は計り知れません。また、選手としてのキャリアの中で、日本代表にも選ばれ、キャップ数は1。ラグビーワールドカップ第1回大会（1987年）の日本代表メンバーとしても歴史に名を刻んでいます。1991年度に、後に日本代表で長らく正スクラムハーフを務める堀越正巳選手が入団してからは、出場機会は減ったものの、豊富な経験を生かしてチームの精神的支柱として貢献を続けました。

指導者・協会役員として

現役引退後、萩本氏は指導者としての道を歩み始めます。1998年には、長年選手として活躍した神戸製鋼ラグビー部のヘッドコーチに就任。チームを再び日本選手権の決勝の舞台へと導きました。その後は、カテゴリーの枠を超えて指導者としての手腕を発揮します。2002年には女子ラグビー日本代表のヘッドコーチを務め、チームを女子ラグビーワールドカップへと導く快挙を達成しました。

さらに、2004年から2005年にかけては、男子のラグビー日本代表監督という重責を担いました。日本代表監督退任後も、U-19日本代表やNTTドコモ関西の監督を歴任するなど、若い世代の育成や地域チームの強化に尽力。2009年には再び女子日本代表のヘッドコーチを務めるなど、経験豊富な指導者として多方面から求められました。

2019年には、短い期間ではありましたが、中華台北ラグビーフットボール協会のハイパフォーマンスディレクターとして海外でのラグビー普及・強化にも関わりました。そして2020年4月からは、関西ラグビーフットボール協会の会長に就任。プレーヤー、指導者として培った深い知見と経験を活かし、近畿圏を中心とした地域におけるラグビーの振興、普及、強化に精力的に取り組んでいます。

選手として日本の頂点を極め、指導者としては男女の日本代表を率い、現在は協会運営の要職にある萩本光威氏は、日本のラグビー界にとってなくてはならない存在であり続けています。

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