萬休院 (北杜市)

萬休院は、山梨県北杜市に位置する曹洞宗の寺院です。その歴史は1571年（元亀2年）にまで遡り、武田氏の家臣であった馬場信春によって開基されました。馬場信春は、勇猛な武将として知られ、後に長篠の戦いで戦死した人物です。

萬休院の境内には、かつて「舞鶴松」と呼ばれる見事な赤松が存在していました。この赤松は、樹高9メートルにも及ぶ巨木で、樹齢は約450年と推定されていました。その美しい姿は、1934年（昭和9年）に国の天然記念物にも指定されました。しかし、残念ながら松くい虫病の被害により枯死してしまい、2008年（平成20年）に伐採されることとなりました。それに伴い、天然記念物の指定も解除されています。現在、境内には新たに植えられた松が、その歴史と記憶を伝えています。

また、萬休院には、北杜市指定の天然記念物となっている「萬休院のツバキの生垣」があります。これは、平成14年11月22日に指定されたもので、美しいツバキの生垣は、訪れる人々の心を和ませます。春には見事な花を咲かせ、境内を彩ります。

交通アクセスについては、中央自動車道の須玉ICから車で約11分の距離にあります。比較的アクセスしやすい場所にあるため、気軽に訪れることができます。萬休院は、歴史と自然が調和した静かで落ち着いた空間であり、訪れる人々に癒しと安らぎを与えてくれる場所です。

参考資料

山梨県高等学校教育研究会地歴科・公民科部会 編『山梨県の歴史散歩（歴史散歩19）』山川出版社、2007年

外部リンク

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