落語みゅーじあむ

上方落語の魅力を伝える拠点：落語みゅーじあむ

大阪府池田市栄本町に位置する「落語みゅーじあむ」は、正式名称を上方落語資料展示館という、市立の博物館です。愛称である「落語みゅーじあむ」の名前で親しまれ、日本の伝統芸能である上方落語に関する貴重な資料を数多く所蔵・展示しています。

この博物館は、単なる資料展示にとどまらず、上方落語の文化を継承し、発展させるという重要な役割を担っています。その設立目的には、伝統文化の保護・普及はもちろん、地域の観光振興による活性化も含まれています。そのため、館内は資料展示だけでなく、落語会を開催できる高座なども備え、幅広い来場者に開かれた空間となっています。

建物の歴史にも興味深い点があります。現在の建物は、かつて池田銀行が使用していた鉄骨造り2階建ての建物を解体・復元したものです。昭和初期に建築された建物の外観を可能な限り忠実に再現することで、歴史的建造物の魅力も同時に味わえるようになっています。設計は錢高組とアパアソシエイツが共同で行い、施工は錢高組大阪支社が担当、2007年3月31日に竣工しました。延床面積は275.5平方メートルです。

館内は1階と2階に分かれています。1階には、落語会で使用される高座や、上方落語の歴史を紹介する映像コーナー、イベントホール、トイレなどが配置されています。一方、2階には落語に関する資料の展示スペースが設けられています。来場者は無料でCDやDVDを視聴したり、関連書籍を読んだりすることができ、快適な閲覧環境が提供されています。その他、和室や身体障害者用トイレなども完備し、誰もが利用しやすいバリアフリー設計となっています。

2007年4月29日の開館式には、桂米朝、桂春団治といった著名な落語家や当時の池田市長も出席し、盛況のうちに幕を開けました。同年10月には、桂三枝（後の桂文枝）が名誉館長に就任。さらに、アマチュア落語家の養成講座や、社会人落語日本一決定戦といったイベントも開催され、落語文化の裾野を広げる活動も積極的に行われています。

アクセスは、阪急宝塚本線池田駅から徒歩約8分と、非常に便利です。最寄りのバス停は阪急バス「西本町」バス停となります。

落語みゅーじあむは、単なる資料館ではなく、地域社会に貢献する文化施設として、池田市の発展に大きく寄与しています。上方落語に興味のある方はもちろん、伝統文化に触れてみたい方、池田市を訪れる観光客にとっても、魅力的なスポットとなっています。

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