葉場町

葉場町（はばちょう）

葉場町は、かつて愛知県名古屋市中区に存在した地名です。

町名の由来

葉場町の町名は、もともとこの地にあった字名「巾（はば）」に由来しています。当初は「波場町」とする案がありましたが、「ナンバ」と誤読される可能性があったため、現在の「葉場町」という名前になったと伝えられています。この名称変更には、地域住民が正確に地名を認識できるようにという配慮が込められていました。

歴史

葉場町は、1911年（明治44年）11月1日に、東古渡町の一部から成立しました。具体的には、東古渡町の字巾の大部分と、字東雲、字中畑のそれぞれ一部が合わさって、新しい町「葉場町」が誕生しました。当時の名古屋の都市化が進む中で、新しい町が生まれることは珍しいことではありませんでしたが、葉場町は、その中でも独特の歴史を刻んでいくことになります。

しかし、葉場町の歴史は長くは続きませんでした。1974年（昭和49年）5月11日、住居表示の実施に伴い、葉場町は平和一丁目、金山二丁目、金山三丁目にそれぞれ編入され、町としての歴史を終えました。この住居表示の変更は、都市の発展とともに住所の表示方法を整理し、より分かりやすくするためのものでした。

葉場町が存在した場所

葉場町が存在していた場所は、現在の名古屋市中区の平和一丁目、金山二丁目、金山三丁目のそれぞれ一部にあたります。かつて葉場町があったという痕跡は、今の住所表記からは伺い知ることはできませんが、その歴史は、地域の古老や歴史家によって語り継がれています。

参考資料

福岡清彦『中区の町名』名古屋市中区役所、1976年。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連事項

* 名古屋市の地名

葉場町は、短い間でしたが、名古屋の歴史の一部を担った町でした。その名前の由来や変遷は、名古屋の歴史を語る上で重要なエピソードの一つと言えるでしょう。現在の住所からはその存在を偲ぶことは難しいですが、この町の歴史は、地域の人々の記憶や記録の中に確かに存在しています。

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