葉山万次郎

葉山万次郎は、1877年（明治10年）12月3日に長崎県北松浦郡平戸町（現在の平戸市）で生まれました。教育者として、日本の教育界に大きく貢献した人物です。

学歴と初期のキャリア

葉山は、私立尋常中学猶興館を中退後、私立日本中学校、旧制一高を経て、1902年（明治35年）に東京帝国大学文科大学独逸文学科を卒業しました。ドイツ文学を専攻したことが、彼の後の教育者としての活動に影響を与えたと考えられます。

教育者としての活躍

1909年（明治42年）には、第一高等学校教授に就任し、教鞭を執りました。1922年（大正11年）には、文部省督学官に転じ、翌年から学校制度研究のためドイツ、イギリス、アメリカ合衆国へ出張しました。海外の教育制度を学ぶことで、日本の教育制度の改善に貢献しようとしたことが伺えます。帰国後、山形高等学校校長に就任し、その後、1930年（昭和5年）には第七高等学校造士館館長に転じました。1933年（昭和8年）には、大阪外国語学校校長に就任し、1940年（昭和15年）に退官するまでその職を務めました。

退官後の活動

大阪外国語学校を退官した後も、葉山は教育への情熱を失わず、1942年（昭和17年）には大阪外国語学校名誉教授の称号を得ています。その後、日本中学校校長に就任し、後進の指導に当たりました。戦後は、松浦史料博物館館長を務め、郷土の歴史や文化の保存にも尽力しました。

著作

葉山は教育者としてだけでなく、著述家としても活動しました。主な著作として、『露西亜』（1903年）、『独逸国民文学史』（1904年）、『平戸の対外貿易時代の話』（1961年）があります。これらの著作は、葉山の幅広い知識と関心を示すとともに、当時の社会や文化を理解する上で貴重な資料となっています。

まとめ

葉山万次郎は、明治から昭和にかけて、教育者として多くの学校で教鞭を執り、校長などの要職を歴任しました。また、海外の教育制度を研究し、日本の教育の発展に貢献しました。退官後も、教育活動や郷土の文化振興に尽力し、その生涯を日本の教育と文化の発展に捧げた人物として、記憶されるべきでしょう。

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