葛原和三

葛原 和三〜日本軍事史研究の権威

葛原和三（くずはら かずみ、生年1950年）は、日本における軍事史の研究者として知られています。彼は三重県に生まれ、1965年に陸上自衛隊の少年工科学校に入校し、1974年には北海学園大学法学部を卒業しました。葛原氏はその後長年にわたり、機甲科部隊にて様々な役職を歴任し、軍事専門家としてのキャリアを築いてきました。

軍事キャリア

陸上自衛隊では、戦車教導隊の小隊長や第7師団の師団長副官、さらには第73戦車連隊の中隊長、第11戦車大隊の大隊長など、軍の重要なポジションを歴任しました。また、陸上自衛隊幹部学校での指揮幕僚課程や筑波大学での歴史学研修を経て、幹部学校の戦史教官としても活動しました。彼は陸上自衛隊幹部学校で一等陸佐として教官を務めた後、防衛大学校で助教授、教授として献身してきました。2013年に退官後は、靖国偕行文庫の室長を務め、2020年にその職を退きました。

研究活動と学会への所属

葛原氏は「日本軍事史学会」と「戦略研究学会」に所属しており、これらの学会を通じて日本の軍事史に貢献してきました。彼の業績は広範な論文や研究成果としても残されています。

主な著書

彼の著作には以下のものが含まれます：

• - 『機甲戦ー用兵思想と系譜』（2021年、作品社）
• - 『機甲戦の理論と歴史』（2009年、芙蓉書房出版）
• - 『戦場の名言』（2006年、共著、草思社）
• - 『ニューギニア砲兵隊戦記』（2008年、解説、光人社）
• - 『パンツアー・エース』（2022年、解説、ホビージャパン）

これらの著書は、機甲戦や戦略理論、歴史的文脈における軍事用兵思想を考察したものです。

論文と研究成果

さらに、多くの論文も発表しており、特に以下の論文が評価されています：

• - 「日本陸軍の第一次世界大戦研究成果の近代戦への反映ー陸軍の機械化を中心にしてー」（2001年）
• - 「戦闘綱要の教義の形成と硬直化」（2004年）
• - 「朝鮮戦争と警察予備隊―米極東軍が日本の防衛力形成に及ぼした影響について―」（2006年）

彼の研究成果は、軍事史の観点から日本の現代に至るまでの歴史を分析し、次世代の研究者たちに重要な影響を与えています。

近年の活動

最近、彼はロシア・ウクライナ戦争に関する分析を行い、特に「機甲戦から見たウクライナ戦争の一年」や「キーウ電撃戦はなぜ失敗したのか・イジューム電撃戦はなぜ成功したのか」などのテーマで執筆しています。これらの研究は、現代の戦術や戦争の形態についても考察する重要な視点を提供しています。

総じて、葛原和三氏は日本の軍事史研究に多大な貢献をしており、今後もその洞察力と経験を活かして、日本及び国際的な軍事研究の発展に寄与していくことが期待されます。

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